(14日、第106回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 清教学園10―8初芝立命館=延長十回タイブレーク) 延長タイブレークまでもつれた試合。4点を勝ち越された後の十回裏、初芝立命館は2死から1点を返し、なお満塁のチャンスを迎えていた。 打…

 (14日、第106回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 清教学園10―8初芝立命館=延長十回タイブレーク)

 延長タイブレークまでもつれた試合。4点を勝ち越された後の十回裏、初芝立命館は2死から1点を返し、なお満塁のチャンスを迎えていた。

 打席には、立石朋己(ともき)主将(3年)。「みんながつないでくれた。やるべきことをやろう」と集中した。

 四球を選ぶ。押し出しで1点を追加。自分もつないだ。次の打者は芦田和翔(わと)選手(3年)。「頼むぞ」と声をかけた。

 芦田選手とは「相棒」と呼び合う仲だ。前日も練習で、最後までバットを振っていたことをよく知っている。

 芦田選手が振り抜いた打球はショートへ。捕球した相手は、ファーストに送球する。芦田選手は一塁に頭から懸命に滑り込んだ。アウトが告げられても、すぐには立ち上がれなかった。

 試合前、「楽しんでやろう」と話し合っていた2人。熱戦を終えた後、立石主将は芦田選手に肩を寄せ、「一緒に野球をやってくれて、ありがとう」とねぎらった。「こいつで負けたらしょうがない」と託して、送り出した相棒だったから。(田中章博)