(14日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 田辺工6―4神島) 七回2死。神島・吉田大和選手(2年)が打席に立った。目の前には、田辺工・樫本旬夏捕手(2年)が座っている。 それまでの2打席は凡退していたが、この打席では初球を引…

 (14日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 田辺工6―4神島)

 七回2死。神島・吉田大和選手(2年)が打席に立った。目の前には、田辺工・樫本旬夏捕手(2年)が座っている。

 それまでの2打席は凡退していたが、この打席では初球を引っ張り左前に運んだ。

 樫本捕手と同じ東陽中出身。休日には遊びに行く間柄だが、「試合の中では相手が誰かなんて考えない」。そのまま積極的に二塁を狙ったが、アウトになってしまった。

 田辺市内にある両校は、JRきのくに線をはさみ、直線で約1・4キロ。練習試合も多く組まれ、春以降は2勝2敗の五分。互いを知り尽くしている。試合後に声を掛け合うこともある。

 ライバル校らしく、この日はもつれて延長戦に。ただ自身は、得点には絡めなかった。

 「悔しいけれど、樫本にはがんばってもらいたい」。試合後、勝者の友人にエールを送っていた。(寺沢尚晃)