(14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 羽咋工1―11金沢学院大付) 羽咋工の双子の3年生が奮闘した。3番を打つ兄・竹内大介選手と、主将で4番の弟・謙介選手。一つ上の兄の影響で、小学1年のときから野球に打ち込んできた。 石川…

 (14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 羽咋工1―11金沢学院大付)

 羽咋工の双子の3年生が奮闘した。3番を打つ兄・竹内大介選手と、主将で4番の弟・謙介選手。一つ上の兄の影響で、小学1年のときから野球に打ち込んできた。

 石川県七尾市に住む。能登半島地震で電車が止まり、登校できない日々が3月まで続いた。1月中に部活は再開したが合流できなかった。

 2人はそんな状況をプラスに変えようと自宅でティーバッティングに取り組んだ。一日50本を7セット。チームに戻ると、心配していた仲間から「いいスイングになっている」と褒められた。

 シード校相手にも「いつも通りプレーする」ことを意識した。2点を追う三回、大介選手は適時二塁打を放つ。塁上で平然としていたが「内心は喜んでいた」。謙介選手は「さすがだなあ」と眺めた。

 三回からは謙介選手が継投のマウンドに。大介選手は「緊張せずに、いつも通りで」と送り出した。ただ相手の応援が球場に響き渡り、守備についた中堅からは弟が緊張と雰囲気にのみ込まれているようにみえた。この回に6失点し、勢いは止められずコールド負け。試合後、「悔しい」と2人の声がそろった。

 ともに進学を予定するが、目指す大学は異なる。同じチームで戦う最後の大会になった。大介選手は野球から離れることを考えている。弟に「今日の経験を大学でも生かして」と話した。(砂山風磨)