(13日、第106回全国高校野球選手権富山大会1回戦 富山いずみ4-6富山中部) 追いつ追われつの接戦。富山中部が、粘る富山いずみを振り切った。 試合後、富山中部の樋浦輝一(きいち)主将(3年)のもとに富山いずみの城村(じょうむら)陽翔(は…

(13日、第106回全国高校野球選手権富山大会1回戦 富山いずみ4-6富山中部)

 追いつ追われつの接戦。富山中部が、粘る富山いずみを振り切った。

 試合後、富山中部の樋浦輝一(きいち)主将(3年)のもとに富山いずみの城村(じょうむら)陽翔(はると)主将(同)が訪れ、笑顔で握手。城村主将は「このまま勝ち上がってな」と声をかけた。

 両チームは同じ富山市内の学校という以上の関係がある。2、3年生は毎年秋に行われる「1年生大会」に合同チームで出場した。互いが「兄弟みたいなチーム」という。

 1年生大会の時は、各チーム半々で選手が出場した。それだけに、足の速い選手、肩の強い選手など、互いの特徴を知り尽くしている。大会前、富山中部の樋浦主将は「1年生大会の時は仲間だったけど、試合となったら別」。一方、城村主将は「中部は思いっきり振ってくるチーム。真っ向勝負です」と対抗心を見せていた。

 この日の勝敗を分けたのは同点で迎えた八回裏の攻防。継投でマウンドに上がった城村主将は2死を取った後、樋浦主将に四球を与え出塁を許す。「足があるので、コーナーをついたが、意識しすぎてしまった」。盗塁を決められ、勝ち越し打を浴びた。

 富山中部の中川憲太郎監督は「似たチームなのは分かっていたので予想通りの展開。疲れました」。富山いずみの吉田雅則監督は「序盤は優位に試合を進められたが、勝ちきるのは難しい。でも選手はよくやった」とねぎらった。(前多健吾)