(第106回全国高校野球選手権石川大会1回戦 七尾東雲1―8金沢二水) 二回表、無死一塁。七尾東雲の細川叶選手(2年)は左打席に入った。ぼてぼての内野ゴロで懸命に走り、併殺を免れた。「右打席に立っていたらアウトだったかも」と胸をなで下ろし…

 (第106回全国高校野球選手権石川大会1回戦 七尾東雲1―8金沢二水)

 二回表、無死一塁。七尾東雲の細川叶選手(2年)は左打席に入った。ぼてぼての内野ゴロで懸命に走り、併殺を免れた。「右打席に立っていたらアウトだったかも」と胸をなで下ろした。

 小学校2年で空手を始め、のめり込んだが、中学3年のとき、野球部の「助っ人」としてかり出され、「仲間と一緒にプレーするのは、こんなに楽しいんだ」と感じた。高校入学後は迷わず野球部に入部した。

 とはいえ、野球の経験は浅い。右打ちだったが、「珍しい両打ちを会得すれば強みになる。出塁できる可能性も広がる」と考え、左打ちに挑戦。打撃練習の大半を左打ちにあててレベルスイングを磨いて強いゴロが打てるようになった。

 ただ課題は残る。右打席よりスイングが若干ぎこちなく、フルスイングは苦手だ。この秋には主将に就任する可能性もある。「とにかく練習を重ねて技術を向上させ、チームの主力として長打を狙っていきたい」と思う。

 チーム内に両打ちが増えれば、戦術の幅が広がるとも考えている。13人いる1年生のうち、最も足が速い岩田透冶選手に両打ちを勧めるつもりだ。(安田琢典)