「広島1-0ヤクルト」(13日、マツダスタジアム) 炎天下でも集中力は途切れない。球数を費やしたものの、広島・大瀬良大地投手は最後まで本塁を踏ませなかった。今季5勝目こそ逃したが、6回2安打無失点で堂々の113球。「ランナーは出しましたけ…

 「広島1-0ヤクルト」(13日、マツダスタジアム)

 炎天下でも集中力は途切れない。球数を費やしたものの、広島・大瀬良大地投手は最後まで本塁を踏ませなかった。今季5勝目こそ逃したが、6回2安打無失点で堂々の113球。「ランナーは出しましたけど、粘り強く投げられた。無失点でいけたので良かったんじゃないですかね」と、うなずいた。

 相手の4番に仕事をさせなかったからこそ、の粘投だ。初回は2死一塁で、村上を外角への145キロ直球で見逃し三振。続く三回は2死二塁から、外角カットボールで空を切らせた。

 五回で球数は90球に到達したが、簡単には崩れない。三度目の対戦となった六回は1死一塁から見逃し三振。「ヤクルトの4番なのでしっかりと勝負して、逃げずに勝負した中で打ち取れたらいいなと思っていた。気持ちを入れて投げて抑えられて良かった」。3三振に切り、完璧に封じ込めて場内の興奮を呼んだ。

 その六回は2死一塁から長岡の投ゴロを処理した後に右手を気にするしぐさを見せたが「ピッチャーゴロを指先に当てちゃって気になったので」と話すにとどめた。

 8日には「マイナビオールスターゲーム2024」に監督推薦で出場することが発表された。自身にとっては5年ぶり3度目の夢舞台。選出を受けてから初めての登板で無失点投球を披露して、御礼の意を示した。防御率はいまだ0点台の0・88。劇勝の下地を整えたエースが夏場の戦いでもチームを鼓舞していく。