「ウエスタン、広島2-1阪神」(13日、由宇球場) 大きな一歩で完全復活への道筋を見せた。22年の左肘のトミー・ジョン手術、23年の左肩関節鏡視下クリーニング術などを経た、893日ぶりの実戦登板から約3カ月。阪神・高橋が復帰後最多の8回を…

 「ウエスタン、広島2-1阪神」(13日、由宇球場)

 大きな一歩で完全復活への道筋を見せた。22年の左肘のトミー・ジョン手術、23年の左肩関節鏡視下クリーニング術などを経た、893日ぶりの実戦登板から約3カ月。阪神・高橋が復帰後最多の8回を投げて6安打2失点、9奪三振で“初完投”した。「本当にトレーナーさんとか、みんなのおかげで投げられて良かった。感謝してます」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 得点を許したのは突如雨が降り出した四回。先頭から直球を連打され、4番・林は空振り三振としたが、中村健の右前打で先制点を献上。「慎重になったときにコントロールできない」と1死一、三塁、磯村の右犠飛で2点目を許した。

 それでも無四球と抜群の安定感が光った103球だった。初回、先頭の佐藤を直球で追い込んで空振り三振。中村貴に二塁打を許したが、難なく0に抑えた。二回、三回は出塁を許さず三者凡退。失点後の五回からはテンポを変える工夫に加え、「先頭を大事にしよう」と6つの三振を奪う立て直しを見せた。和田2軍監督は「あとは遥人の一番いいときの球を目指して」と目を細めた。

 試合前の練習から常時左腕への声援が飛んでいた。支配下登録の期限が7月末に迫る中、「すごい力になった」とファンの応援を力に変え猛アピール。「やっぱり直球。直球が良かったら試合が作れる」と今後は直球の精度を上げ、2桁の背番号を手に入れる。