「中日10-8阪神」(13日、バンテリンドーム) バットが空を切って敗戦が決まると、阪神・小幡は肩を落とした。2点を追う九回2死二、三塁。マルティネスの高めの154キロで空振り三振に倒れた。「あそこで打てるように頑張ります」。11試合連続…

 「中日10-8阪神」(13日、バンテリンドーム)

 バットが空を切って敗戦が決まると、阪神・小幡は肩を落とした。2点を追う九回2死二、三塁。マルティネスの高めの154キロで空振り三振に倒れた。「あそこで打てるように頑張ります」。11試合連続安打を含むマルチ安打を喜ぶこともなく、一打同点の場面で結果を残せなかったことを悔やんだ。

 ただ、小幡の奮闘なくして接戦はなかった。2点を先制後の二回1死三塁は左飛に倒れ、3点を追う四回1死満塁は初球をたたいて一ゴロ。1打席目から2打席連続で好機で凡退していた。それでも坂本の適時打で1点を勝ち越した直後の五回2死一、三塁でやり返した。

 1ストライクから前打席で打ち損じた斎藤のスライダーを捉えた。右翼線へ鋭いライナーを運ぶ2点三塁打。5試合ぶりの打点に、塁上では三塁ベンチへ両手を突き上げた。この試合まで打率・167と苦しんでいた左腕から放ったことにも価値があった。

 「1打席目、2打席目でヒットが出るのが一番良かった」と反省しつつ、「誠志郎さん(坂本)がああいう形でつないでくれたので。その姿を見て自分も続いた。球は見ていたのでイメージしながら反応で打てた」と打撃内容にも納得した様子だった。

 2点を追う八回無死は松山の150キロを捉え、ゴロで二遊間を破って3試合ぶりのマルチ安打。これで6月30日・ヤクルト戦から始まった連続試合安打の間は、35打数14安打で打率・400となった。「手応えは別にないですけど」と話したが、今や打線に欠かせない“恐怖の8番”となっている。

 左肩甲骨の骨折で2軍調整中の木浪は、球宴明けから1軍に復帰する見通しとなっている。ただ現状での攻守の貢献度を考えれば、小幡を先発から外す理由も見当たらない。岡田監督は今後、頭を悩ませることになりそうだ。