「巨人6-1DeNA」(13日、東京ドーム) 祈りにも似た白球が鋭く、右中間を真っ二つに割った。開幕から苦しむ巨人・門脇が「決めてやる」と腹をくくり、フルスイングで奪った走者一掃の3点適時二塁打。殊勲の男はベンチに向け、両手を挙げて喜びを…

 「巨人6-1DeNA」(13日、東京ドーム)

 祈りにも似た白球が鋭く、右中間を真っ二つに割った。開幕から苦しむ巨人・門脇が「決めてやる」と腹をくくり、フルスイングで奪った走者一掃の3点適時二塁打。殊勲の男はベンチに向け、両手を挙げて喜びを爆発させた。チームは今季最長の7連勝。歴史的混セの首位をガッチリとキープだ。

 崖っぷちにいた。ドラフト4位・泉口(NTT西日本)との併用が続く中、2試合連続でスタメンに名を連ねた。二回、無死二塁で空振り三振を喫すると、四回は「とんでもないボール球を振って」投ゴロ。続く1点リードの六回、無死満塁から2者が倒れて打順が巡る。代打は-なかった。

 「代わってもおかしくない場面。チャンスをもらった以上、もう一球逃したら負けくらいの気持ちで仕留めにいきました」

 1ボールから2球目を狙った。名誉挽回、汚名返上の一打。レギュラーを確約されて開幕したシーズン。ベンチから試合を見る日が多くなった。「配球や選手の仕草、勉強になることが多い」。大切にする言葉は初志貫徹。毎日書く野球ノートには1ページごとに記す。早出特打も欠かさず毎日必死に、2年目のジンクスと向き合っている。

 球団は11日、新助っ人モンテスの獲得を発表した。主に二遊間を守る俊足巧打の内野手。門脇も「ニュースで見ています」とライバル心を隠さない。「負けられないなと。僕はレギュラーじゃないので、もう一回、取りにいく気持ちです」。どん底を知った男の逆襲が、ここから始まる。