(13日、高校野球静岡大会2回戦 常葉大菊川11-3浜松開誠館) 「自分らしく投げていけよ」 大会連覇がかかる初戦。浜松開誠館の大迫翔輔捕手(3年)はこの日も、制球が良いエース松井隆聖投手(3年)、球威のある伊波龍之介投手(3年)、塚田暖…

 (13日、高校野球静岡大会2回戦 常葉大菊川11-3浜松開誠館)

 「自分らしく投げていけよ」

 大会連覇がかかる初戦。浜松開誠館の大迫翔輔捕手(3年)はこの日も、制球が良いエース松井隆聖投手(3年)、球威のある伊波龍之介投手(3年)、塚田暖琉投手(2年)の大会屈指の投手陣の持ち味を生かすリードを目指した。「サインに首を振ってもいいから投げたい球を投げていけよ」。マウンドに駆け寄り、声をかけた。

 昨夏の甲子園では2―3でサヨナラ負けした2回戦の北海(南北海道)戦で2年生ながら三塁手として先発出場を果たした。新チーム結成後は扇の要となる正捕手となった。タレントぞろいの投手陣と密にコミュニケーションをとり、昨秋は東海大会出場へと勝ち上がった。

 この日は難敵を相手に、攻守の歯車がどこかかみ合わなかった。「つないでリズムをつくろう」。2打席凡退で迎えた七回、打撃でも流れを引き寄せようと緩い球を振り切り、中前に打球を運ぶと、拳をぐっと握った。

 試合後、「投手の良さを引き出せなかった」と涙があふれた。2回戦敗退の悔しさの借りを返せなかった甲子園へ、思いを後輩たちへ託した。(斉藤智子)