(13日、第106回全国高校野球選手権埼玉大会2回戦 富士見0―7山村国際) 1、2年生だけの17人で今大会に挑んだ富士見。唯一の2年生で背番号16の矢島寛基はこの試合、ボールボーイを務めた。 幼稚園の頃に球場でプロ野球を観て、野球の虜にな…

(13日、第106回全国高校野球選手権埼玉大会2回戦 富士見0―7山村国際)

 1、2年生だけの17人で今大会に挑んだ富士見。唯一の2年生で背番号16の矢島寛基はこの試合、ボールボーイを務めた。

 幼稚園の頃に球場でプロ野球を観て、野球の虜になった。中学からプレーを始め、「高校野球という舞台に挑戦したい」と高校も野球部に入った。

 だが昨年11月、当時の2年生3人、1年生2人が辞めた。春から監督が変わって練習時間が長くなり、内容も厳しくなったことが理由だった。マネジャーと2人になり、できる練習はキャッチボールやトスバッティングなどだけになった。

 「正直一緒に辞めたくなった」。それでも次の1年生につなげたいと部に残り、練習を続けた。冬は1カ月以上グラウンドの草むしりに徹した。「除草部」と自嘲するほどだった。

 4月には1年生が入部し、練習や試合ができるようになった。「周りから励ましが聞こえてくることがうれしかった」

 元々右翼手だったが、1月から「あこがれだった」投手の練習も始めた。体力をつけるため、普段の練習に加えてほぼ毎週末に10キロを走って大会に備えた。

 この日の山村国際戦はスタメンに入れず、七回コールド負け。出場機会もなかった。矢島は「来年はマウンドに立ちたい」。1年後の夏に意欲を見せた。(恒川隼)