(13日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 目黒学院0―10堀越) 目黒学院の主将、桜井圭(3年)は、3歳上で同じチームの主将だった兄を目標にもがいてきた。13日、試合には敗れたが、目指した野球を見せた。 相手は昨夏16強の堀…

 (13日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 目黒学院0―10堀越)

 目黒学院の主将、桜井圭(3年)は、3歳上で同じチームの主将だった兄を目標にもがいてきた。13日、試合には敗れたが、目指した野球を見せた。

 相手は昨夏16強の堀越。「絶対に勝つ」と意気込んで試合に臨んだ。だが、一回に4点を奪われると、五回にも5点を奪われ、コールド負けした。桜井も2打数無安打と、相手投手に完全に抑えられた。

 苦労してたどり着いた夏の舞台だった。同校野球部の主将だった兄の成さん(21)が試合で活躍する姿を見て、後を追った。

 ただ、兄の代から野球部は部員の確保に苦労していた。大会は助っ人を借りて出たり、連合チームとして出場したり。入部した新入生は自分を含め4人だったが、途中で3人になった。部員を集めるため、加藤恭祐(たかひろ)監督と相談し、昨年から丸刈りの規則を短髪に緩めるなどした。

 すると、部員が増加。3年生3人に対し、下級生は14人になった。

 ただ、主将としての仕事は大変になった。「後輩を一人にさせない」と、全員に目を配った。試合でエラーをしても責めず、「いいから声を出そう」と励ました。

 試合前日、兄から「頑張れよ」とエールをもらい、臨んだ夏の大会。大敗したが、全員が声を出し続けた。

 試合後、加藤監督は「下級生が大半で厳しいチーム状況の中で、よくやってくれた。兄に負けないようなガッツを見せてくれた」とねぎらった。

 兄のような主将になれたかは分からない。でも、「最後まで皆が声を出してくれた」。涙をぬぐい、高校野球に区切りをつけた。=駒沢(佐野楓)