(13日、第106回全国高校野球選手権熊本大会2回戦、南稜2-9ルーテル学院) 「よっしゃー」。七回表、南稜の攻撃で打席に入った9番打者の森山幸之介選手(3年)は、1球ごとに大声を張り上げてバットを構えた。 2死満塁で8点差。あと2点取ら…

 (13日、第106回全国高校野球選手権熊本大会2回戦、南稜2-9ルーテル学院)

 「よっしゃー」。七回表、南稜の攻撃で打席に入った9番打者の森山幸之介選手(3年)は、1球ごとに大声を張り上げてバットを構えた。

 2死満塁で8点差。あと2点取らなければ、この回でコールド負けが決まる。チームのモットー「俺がやる」を胸に打席に向かった。

 初球をフルスイングで空振り。気迫に押されたのか、ボール球が3球続いた。3ボール1ストライクから際どいコースへの投球を見極めて、押し出しの四球を選んだ。「やったぞ!」。気合をベンチに示しながら、一塁に向かった。

 あともう1点。だが、後続打者の鋭い当たりは野手のグラブに収まり、試合は終わった。「最後に南稜の野球をみせられました」

 この日は1安打2四球と3打席すべてで出塁し、守備でも思い切った送球で走者のアウトにつなげた。明るい性格で声が大きなムードメーカーが、プレーでもチームを盛り上げた。(吉田啓)