(13日、第106回全国高校野球選手権愛知大会2回戦 誉3―2大府東) 部員が3倍以上いる強豪私学を前に部員26人の県立校が奮闘していた。七回表、2―2の同点の場面で打席に立ったのは、大府東の1番打者丸谷航太選手(3年)。5年前に愛知大会…

 (13日、第106回全国高校野球選手権愛知大会2回戦 誉3―2大府東)

 部員が3倍以上いる強豪私学を前に部員26人の県立校が奮闘していた。七回表、2―2の同点の場面で打席に立ったのは、大府東の1番打者丸谷航太選手(3年)。5年前に愛知大会を制した誉から、この日すでに2安打を放っていた。

 「とにかく塁に出たい」。甘く入ったカーブをたたいて中前安打。犠打で二塁まで進んだ。

 勝ち越しの好機。3番打者が放った打球はライト前へ転がった。二塁走者の丸谷選手は、土煙を上げながら三塁を蹴って本塁へ。だが、右翼手からの好返球で阻まれた。追加点を逃したチームはこの回の裏に勝ち越された。

 丸谷選手は、6月まで不調で下位打線に回ったこともあった。家に帰ってから、納得がいくまで素振りを続けた。その努力は、チームの5安打中、自らが3安打をたたき出した結果に表れた。藤村亮二監督は「この2、3週間で調子を上げた。追い込まれても粘り強かった」とたたえた。

 勝利まであと1点が遠かった。丸谷選手は試合後に語った。「悔しい気持ちはあるけど、思い切ってやったから悔いはありません」(渡辺杏果)