(13日、第106回全国高校野球選手権福岡大会5回戦 沖学園3―6東海大福岡) 取られたら取り返す――。沖学園が、今春の選抜出場校を相手に粘りぬいた。三回裏に1点先制された直後の四回表、1死一、三塁から重盗で1点をもぎ取り、同点に。2点を…

 (13日、第106回全国高校野球選手権福岡大会5回戦 沖学園3―6東海大福岡)

 取られたら取り返す――。沖学園が、今春の選抜出場校を相手に粘りぬいた。三回裏に1点先制された直後の四回表、1死一、三塁から重盗で1点をもぎ取り、同点に。2点を追う六回表は、2死一、二塁で「絶対に打つ」と臨んだ北西一希(いぶき)主将(3年)が詰まりながらも中前に運んで1点。続く津波太紀選手(3年)も適時打を放ち、再び追いついた。

 昨年、秋の福岡県大会は3回戦で敗れ、練習試合でも勝てない日々に。諦めの雰囲気が漂い、冬には「甲子園を目指すのはもうやめよう」という声も出た。「何のために沖学園に来たんだ?」。監督の問いで初心に帰り、練習や生活の態度から見直し、臨んだ今大会だった。

 敗れたが、最後まで諦めない姿勢を貫いた。「頑張ってきた成果が出せた」。試合後、北西主将は少し赤い目で言った。(中村有紀子)