(13日、第106回全国高校野球選手権広島大会2回戦 呉6―0盈進) つなぎに徹した2番打者だった。ただ、最後の打席を除いて。 盈進の2番・平川祥成選手(3年)は初回、2ストライクに追い込まれてから中前打で出塁。三回2死一塁の場面では、追…

 (13日、第106回全国高校野球選手権広島大会2回戦 呉6―0盈進)

 つなぎに徹した2番打者だった。ただ、最後の打席を除いて。

 盈進の2番・平川祥成選手(3年)は初回、2ストライクに追い込まれてから中前打で出塁。三回2死一塁の場面では、追い込まれると四球狙いに切り替え、3連続ファウルで粘り、後につなげようとした。結局、走者が盗塁を刺されて攻守交代したが、次の四回は安打でチャンスを作った。

 しかし、6点差をつけられた八回は違った。

 三回と同じ2死一塁。一発打ってやろうと長打狙いに変えた。甘い変化球にバットを強振。だが、打ち損じた飛球は右翼手のグラブに収まった。

 一昨年の広島大会で優勝したチームはこの日、無得点のまま敗れた。ただ、平川選手はチーム最多の2安打の活躍を見せた。対戦した呉の九十九裕貴投手(同)は「うまく当てられるし、ヒットも打たれる。苦戦しました」と振り返った。

 八回の最終打席の直後、すがすがしい表情を見せた平川選手は、球場を笑顔で後にした。

 「悔しいけど、最後の大会で練習の成果を出せた。泣かずに終わると決めていた」(根本快)