「中日-阪神」(13日、バンテリンドーム) 中日の涌井秀章投手が二回表開始前の投球練習中に異変を訴え緊急降板した。 数球、ボールを投じマウンドでうつろな表情を浮かべた涌井。慌てて投手コーチがマウンドに行って状態を確認したが、うながされるよ…

 「中日-阪神」(13日、バンテリンドーム)

 中日の涌井秀章投手が二回表開始前の投球練習中に異変を訴え緊急降板した。

 数球、ボールを投じマウンドでうつろな表情を浮かべた涌井。慌てて投手コーチがマウンドに行って状態を確認したが、うながされるようにしてベンチへ戻った。

 これには本拠地のスタンドもざわついた。立浪監督がベンチ裏に下がって状態を確認したか、球審に投手交代を告げた。涌井は前回登板となった巨人戦でも熱中症の症状が出て五回途中で緊急降板していた。

 2番手のマウンドには土生がコールされたが、ベンチの立浪監督は厳しい表情。経験豊富なベテラン右腕をまさかのアクシデントが襲った。スクランブル登板となった土生はいきなり佐藤輝に右前打を許し、続く前川が放った打球を中堅・カリステが落球。失策が記録されて無死二、三塁とピンチを広げてしまうと、大山に右中間へ先制の適時二塁打を浴びた。

 涌井の緊急降板でざわついていたスタンドは、ミスが絡んで先制点を許す展開に重苦しい空気が漂った。

 それでも野手陣が奮起。その裏、高橋周が右翼席へ完璧な逆転3ラン。続く三回にはカリステ、福永の連続タイムリーで2点を追加した。打線が底力を見せて阪神・伊藤将を攻略する地獄から天国のような展開に、本拠地は大盛り上がりとなっていた。