第106回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、富山県高校野球連盟主催)は13日から試合が始まる。今大会で県高野連は、打者や走者が塁に駆け込んだり、滑り込んだりした際、ベースコーチが「セーフ」のジェスチャーや発声をしないよう求めている。…

 第106回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、富山県高校野球連盟主催)は13日から試合が始まる。今大会で県高野連は、打者や走者が塁に駆け込んだり、滑り込んだりした際、ベースコーチが「セーフ」のジェスチャーや発声をしないよう求めている。マナーアップの一環として徹底するという。

 ベースコーチが大きな身ぶりでアピールする光景はかつて、プロ・アマ問わず、よく見られた。一方で「判定は審判に任すべきだ」という意識が浸透し、最近はあまり目にしなくなっている。ただ、完全になくなったわけではない。

 今回禁止を呼びかけるきっかけになったのは、春季の県大会や北信越地区大会で、ベースコーチのジェスチャーが複数のチームで見られたことから。県高野連の西田秀幸審判長は「判定は、コーチがするものではない。ジェスチャーで判定が左右されることはなく、むしろ、滑稽に見える」と話す。そのうえで「指示されているわけではなく、どのチームも過去の流れで何となくやっている。もうやめるべき時だと思う」と述べた。

 こうした行為の禁止は、富山大会に向けた責任教師・監督会議や、抽選会でも各チーム主将に説明された。4月にあった日本高野連審判規則委員会でも「重点指導事項」のマナーとして挙げられている。兵庫県高野連も「高校野球のマナーとルールを学ぼう」の中で取り上げ、「正規の判定者がいるのに、別の判定者がいるような状況を作り出してはいけません」などと説明している。

 実際に富山大会でジェスチャーがあった時はどうするのか。気づいた審判が「次から、やめましょう」と声をかけるという。(前多健吾)