「広島4-3ヤクルト」(12日、マツダスタジアム) 本調子でなくとも、淡々と腕を振り試合をつくる。広島・床田寛樹投手が6回4安打3失点、4奪三振の粘投でリーグトップタイの8勝目をゲット。6月11日の西武戦以来となる勝利に「(打線が)追いつ…

 「広島4-3ヤクルト」(12日、マツダスタジアム)

 本調子でなくとも、淡々と腕を振り試合をつくる。広島・床田寛樹投手が6回4安打3失点、4奪三振の粘投でリーグトップタイの8勝目をゲット。6月11日の西武戦以来となる勝利に「(打線が)追いついてくれたので、そこからは絶対に抑えないといけないと思って投げました」と安どの表情を見せた。

 初回は2安打と四球で2死満塁とすると、長岡に押し出し四球を与え、先制点を献上。1点リードで迎えた三回も、先頭への四球から逆転を許すなど、序盤は不安定な投球。「完全に独り相撲かなと思います」と反省した。

 しかし、三回に再び味方が同点に追いつくと、四回以降は別人だった。マウンドを降りた六回までの3イニングを1人の走者も許さない好投。立て直すことができた裏側には、この日へ向けた取り組みがあった。

 前回登板の5日・中日戦(バンテリン)で5敗目を喫してから、球速アップをテーマに1週間を過ごした。登板3日前のブルペンでは、マウンドの約3メートル後ろから投球。「遠い距離を投げる時は(体を)大きく使って投げないと、伸びのある球が投げられない。その動きをあとは平地から傾斜でもできるように」と意図を説明した。

 登板を終え、「途中ぐらいの力感でもう少しスピードが出たら良い。多少は制球が乱れてしまったので、そこを次回修正できるように」と収穫と課題を得た様子。約1カ月ぶりに手にした白星を良薬にし、再加速を図る。