「広島4-3ヤクルト」(12日、マツダスタジアム) 再進撃への号砲じゃ!!広島の秋山翔吾外野手(36)が同点の五回、決勝の3号勝ち越しソロを放った。この一撃が7月のチーム第1号で、連敗も4でストップ。単独2位に浮上し、首位・巨人とは1ゲー…

 「広島4-3ヤクルト」(12日、マツダスタジアム)

 再進撃への号砲じゃ!!広島の秋山翔吾外野手(36)が同点の五回、決勝の3号勝ち越しソロを放った。この一撃が7月のチーム第1号で、連敗も4でストップ。単独2位に浮上し、首位・巨人とは1ゲーム差。本拠地・マツダスタジアムでは今季、ヤクルトに6戦全勝。この勢いで一気に首位奪還を目指す。

 久々の仕事にホームランガールがうれしそうにグラウンドへ出てきた。引き締まった表情でダイヤモンドを回る秋山。連敗中の鬱憤(うっぷん)をため込んだスタンドのファンもドッと沸いた。勝ち越し弾を放ったベテランは「いい場面で打てたので本当に良かった」と最高の結果に満足感を口にした。

 上昇の気配を感じる一打だった。3-3で迎えた五回先頭で打席を迎えると、石川が投じた内角高めのスライダーをさばいて、右翼席へ運んだ。「たまたまですね。正直全く頭になかった」。追い込まれていた中で打席内での読みは外れた。それでも反応でかけたアーチ。「強振するところじゃなくても、しっかり(芯を)食えばというところで、ああいうのも打てるんだなと久しぶりに思った。ああいうのが出てくるとバッティングにもゆとりが出てくる。いい打席が増えてくる兆しになればなと思う」と確かな手応えを得た。

 秋山自身6月5日・日本ハム戦以来の一発。チームにとっても6月29日・巨人戦で菊池がソロを放って以来となる本塁打となった。貧打に苦しむ打線の1番打者として「もうちょっとやれることはないかな」と常に考える中での好結果。久々に投手を援護することに成功し、「床田も苦しい中で勝ちがついたことで、次はもっといいピッチングをしたいと思ってくれると思うし、こういう試合が増えてくれば、ピッチャーが窮々とした中で投げなくて済む。やってあげたいなとずっと思ってるんですけどね。これが増えれば増えるほど勝てるかなと思う」と先を見据えた。

 新井監督は秋山を「本当に元気なベテラン」と評した。1番打者として57戦連続スタメン起用中。「こっちも『休みいるか?』と聞いているんだけど、『全然いりません』ってね。若い選手が出ていく中で経験のあるベテランというのは必要。本当に頼りになる」と絶大な信頼を改めて強調した。

 これでチームの連敗は4で止まり、阪神とDeNAを抜いて2位に再浮上。球宴にも選出された秋山は「オールスターで休めるといいんだけど、おかげさまで出ることになった。そこまで一生懸命やって楽しめるオールスター期間になれるように頑張っていきたい」と気合を入れ直した。けん引役が放った一撃は新井カープの“梅雨明け”を予感させた。