日本陸連は12日、パリ五輪に出場する陸上日本選手団の結団式をオンライン形式で行った。男女の主将を発表し、女子はやり投げで昨年の世界選手権を制した北口榛花(26)=JAL、男子は4大会連続の代表入りを果たした200メートルの飯塚翔太(33)…

 日本陸連は12日、パリ五輪に出場する陸上日本選手団の結団式をオンライン形式で行った。男女の主将を発表し、女子はやり投げで昨年の世界選手権を制した北口榛花(26)=JAL、男子は4大会連続の代表入りを果たした200メートルの飯塚翔太(33)=ミズノ=に決定。それぞれが選手団へあいさつし、選手団の士気を高めた。陸上は男子35人、女子20人が出場する。

 開幕を前に、陸上日本代表が一つになった。女子の主将に任命された北口は、海外で試合があるため、あらかじめ撮影された動画であいさつ。「陸上競技チーム全体がそろう機会はなかなかないかもしれませんが、個々の頑張りが必ずチーム全体の勢いになると思いますし、これからの日本の陸上界、スポーツ界の勢いになると思います。最高の結果を残せるように頑張りましょう」と笑顔で呼びかけた。

 昨年の世界選手権で日本女子史上3人目の金メダルを獲得。同年の世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルを日本勢で初めて制するなど、陸上界の第一人者として盛り上げてきた。「個人としては決勝で(12位となって)悔しい思いをした東京大会から3年、決勝進出から金メダルまで確実にステップアップしてきたと思う」と道のりを振り返り「メダル獲得を目標に、本番でまた歴史を塗り替えたいです」と初の金メダルへ意気込んだ。

 男子の主将を務める飯塚は「みなさんの準備がうまくいくこと、本番でベストパフォーマンスができるように祈っております。私も一緒に励みたい」と呼びかけた。自身は「中高大とキャプテンをやったことがない」と笑うが「引っ張っていくより、選手がやりやすいフラットな雰囲気がつくれれば」と、チームをまとめるプランを明かした。

 「今回の活躍が未来につながるよう、陸上が注目を浴びて、次の世代に刺激を与えられるようなパフォーマンスを出していきましょう」と飯塚。明るい2人の主将を軸に、夢舞台を盛り上げる。

 ◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道旭川市出身。旭川東高から日大に進んだ。東京五輪で57年ぶりに決勝に進み12位。世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)では22年に日本勢初優勝。23年DLファイナルを初制覇した。世界選手権は22年に日本女子投てき種目で初の銅メダル、23年に日本女子陸上界で史上3人目となる金メダルを獲得した。自己ベストは23年9月に出した67メートル38。179センチ。

 ◆飯塚翔太(いいづか・しょうた)1991年6月25日、静岡県御前崎市出身。藤枝明誠高3年時の2009年に国体100メートルで優勝。中大に進学し、10年世界ジュニア選手権200メートルでは日本人初の金メダルを獲得した。16年日本選手権200メートルで当時の日本歴代2位となる20秒11をマーク。同年リオデジャネイロ五輪の男子400メートルリレーでは、2走として銀メダルを獲得した。趣味はゲーム、座右の銘は「一喜一憂しない」。185センチ、80キロ。