パリ五輪に出場する卓球日本代表が12日、都内で強化合宿を公開した。女子のエースで世界ランク5位の早田ひな(24)=日本生命=はシングルス、混合ダブルス、団体の3種目でメダルが期待されるものの「中国選手を倒す可能性は低いと思うが、一番勝てる…

 パリ五輪に出場する卓球日本代表が12日、都内で強化合宿を公開した。女子のエースで世界ランク5位の早田ひな(24)=日本生命=はシングルス、混合ダブルス、団体の3種目でメダルが期待されるものの「中国選手を倒す可能性は低いと思うが、一番勝てる(可能性がある)のは混合ダブルス」と明言。ペアを組む男子のエース、張本智和(21)=智和企画=も「全ての種目でいいメダルを取れるように全力で頑張る」と気合を入れた。

 大一番まで残り2週間。早田は直前まで約2カ月間、世界ツアー出場を続けていただけに、この日は練習には参加せず独自調整を行った。「約2カ月半(海外)遠征に行っていたので、思っていたより(五輪開幕が)すぐで、すごくバタバタしている。今のところ、あまり五輪(で戦う)っていう感覚はない」と苦笑いしながら現状を明かした。

 ただ、全力で駆け抜けてきた間に金メダルへの機運は着実に高まっている。特に混合ダブルスでは、張本智とのエースペアで国際大会4大会連続優勝で締めくくり、ぎりぎりで第2シードをつかみ取った。中国ペアとは決勝まで当たらないため、メダルの可能性は上昇。東京五輪混合ダブルスでの伊藤美誠、水谷隼の金メダルは、リザーブメンバーとして現場で目の当たりにしただけに「中国選手を倒す可能性は相当低いとは思うが、何かが起きたら一番勝てるのは混合ダブルスなのかなと思ったりもする。それを実現させたのが、あの東京五輪(の金メダル)」とうなずいた。

 国際大会で2大会連続3冠で締めくくった張本智も「メダルを取ることは(3種目)全て可能性があると思っている」と手応えを強調。「まず1つ目のミックス(混合ダブルス)からしっかり取って、最後の団体まで全力でやりきりたい」と、メダルラッシュに向けて気を吐いた。

 金メダル“請負人”もボルテージを高めている。東京五輪混合ダブルスでもベンチコーチを務めた現男子代表の田勢邦史監督は、第2シード獲得に「ここにきていきなり強くなったんじゃないか」とニヤリ。「(プレー中の)会話も増えてきて、非常に良いペアになってきた」と期待を込めた。