「ボクシング・日本ミニマム級タイトルマッチ」(12日、後楽園ホール) デイリースポーツ後援興行のメインイベントで王者・高田勇仁(ゆに=26)=ライオンズ=が7位の金谷勇利(27)=金子=の挑戦を激闘の末に退け、4度目の防衛に成功した。デイ…

 「ボクシング・日本ミニマム級タイトルマッチ」(12日、後楽園ホール)

 デイリースポーツ後援興行のメインイベントで王者・高田勇仁(ゆに=26)=ライオンズ=が7位の金谷勇利(27)=金子=の挑戦を激闘の末に退け、4度目の防衛に成功した。デイリースポーツからは勝利者賞の盾が贈られた。

 序盤から左右のボディーで削り、左フックも決めていく高田に対し、金谷も一歩も引かずに左ジャブから上下にパンチを突き刺す。5ラウンド終了時の途中採点はジャッジ2者が49-46、1者が48-47でいずれも高田を支持した。

 後半に入っても高田ペースは変わらないが、金谷も9、10ラウンドと猛攻で追い上げる。判定は96-94が2者、97-93が1者で、高田が金谷を振り切った。

 高田は「金谷選手も研究してきて、打ち終わりとかスキを狙ってきた。本当にうまい選手で、ちょっと戸惑った部分があった」と苦戦を振り返り、無数に入れたボディーについて「全然表情を変えないので、すごいと思った。効いているのか半信半疑になって、行けるところも行けなかった」と明かした。

 また、狙っていたユニブロー(左アッパー)に関しても「入ると思ったけど警戒されていてうまく入れなかった。もっともっと磨いて当てたいときに当てられるようにしたい」と反省した。

 高田は「4度の防衛を機に返上して、小林豪己選手とやりたい。(WBO)アジアパシフィックを追いかけて」と、日本王座を返上して小林の保持するWBO-AP王座に挑戦することを宣言。「もう上に行くために踏ん切りをつうけたい。後戻りできないように」と、退路を断つためだと説明した。

 既に世界挑戦してもおかしくないランクにいるが、「一気に世界に行くとどう感じるか。順番に実力を試しながらいきたい」と、慎重なところを見せていた。

 第3試合の58・0キロ契約8回戦では、3月にB級(6回戦)でデビューし、衝撃の初回KO勝ちを飾った小山涼介(23)=金子=が、2戦目で初の8回戦に登場。キャリア10年、12勝(7KO)4敗の石田凌太(28)=角海老宝石=を7回TKOに沈めた。

 小山は変則的なスタイルから左ジャブ、左フックや右アッパーを打ち込んで行き、フットワークで石田をほんろうする。最後は右一発で倒すと石田は長々と伸びてしまい、レフェリーが即座に試合をストップ。石田はタンカで運ばれた。

 小山は「デビュー戦でKOできて、今回少し狙いに行っちゃったのが反省点です。もっとペース配分して勝ちに徹したいと思いました」と、デビューから2連続KO勝ちにも浮かれず、「一発ももらわずにフルマークできるボクサーになっていきたい」と語った。