金への道、再び-。パリ五輪卓球混合ダブルス代表の張本智和(21=智和企画)早田ひな(24=日本生命)組が12日、日本勢2大会連続の頂点を誓った。国際大会を4大会連続優勝で終え、都内で代表公開練習や記者会見に出席。世界ランク2位浮上で第2シー…

金への道、再び-。パリ五輪卓球混合ダブルス代表の張本智和(21=智和企画)早田ひな(24=日本生命)組が12日、日本勢2大会連続の頂点を誓った。

国際大会を4大会連続優勝で終え、都内で代表公開練習や記者会見に出席。世界ランク2位浮上で第2シードを確定させ、同じ立ち位置から21年東京五輪金メダルをつかんだ水谷隼、伊藤美誠組同様に足場を固めた。同1位の王楚欽、孫穎莎組(中国)とは決勝まで当たらず、男女のエース“はりひな”が世界一へ突っ走る。

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日本代表勢ぞろいの卓球場に、張本智のうなり声が響いた。

「うあっ、あっ、あっ、あっ」

公開練習で声を出しながら強打を続け、その手を抜くことはない。7日までバンコクで行われたWTTスターコンテンダーを制し、中国勢不在ながら驚異の4大会連続優勝。韓国ペアを抜いて世界ランク2位に浮上した。不安のあまり、夜中も練習した東京五輪前から3年。冷静さが光る。

「まだ夜中、ここへ来ていないので大丈夫だと思っています(笑い)。100%を引き出せるように、いつも通りやりたい」

直近は早田との混合ダブルスに注力し、連係は洗練された。コートを離れると、12年前や8年前の五輪の映像を見て、観衆が入る本番を想像する。欧州勢との対戦はアウェーの空気感も予想されるが「フランス語が分からない。『僕たちを応援している』と良く勘違いしたい」とニヤリ。持ち前の元気さは変わらない。

「1つ目のミックス(混合)でしっかりと(メダルを)取って、最後の団体まで全力でやりきりたいです」

3歳上の早田は公開練習を休養に充てた。ペア結成から約5年。従来は戦術の組み立てで引っ張る役割だったが、今季は意思疎通が密になった。

「1つ1つの技術や戦術が濃いものになってきた」

激闘で得た第2シードを無駄にしない。

「何かが起きて、中国人選手に一番勝てるのはミックスと思う。それを実現させたのが東京五輪。パリジェンヌの方々は本当に格好いい。自分もパリで、格好いいアスリートになれるように頑張りたいです」

地に足をつけ、男女の柱が先陣を切る。【松本航】

◆混合ダブルス展望 金メダル最有力は王楚欽、孫穎莎組。世界選手権2連覇中で、ともにシングルスも世界ランク(R)1位。張本智、早田組が世界Rで追い抜いた林鐘勳、申裕斌組(韓国)も難敵。張本智は「結局ドローで韓国がこっち(の山)に入れば(世界Rで上回った)意味はない。しっかりと(第2)シードを取れたことは別にして、本番で頑張らなきゃいけない」と集中力を高める。