静岡県サッカー協会の新会長に就いた大榎克己氏(59)が11日、静岡市内で会見し、「サッカー界に恩返ししたい。これまでの全ての経験を生かして全身全霊、協会のためにがんばる」と抱負を語った。 会見で大榎氏は、指導者の育成や、県内に女子プロチー…

 静岡県サッカー協会の新会長に就いた大榎克己氏(59)が11日、静岡市内で会見し、「サッカー界に恩返ししたい。これまでの全ての経験を生かして全身全霊、協会のためにがんばる」と抱負を語った。

 会見で大榎氏は、指導者の育成や、県内に女子プロチームの発足を働きかける考えを示した。

 中でも、少子化などの影響でチーム数や選手登録者数が減っていることから、普及活動に力を入れる考えを強調。「サッカーに関わる子どもたちを増やしたい。いま種をまいておき、5年、10年したときに強い静岡を取り戻したい」と語った。

 さらに、「全員がプロ選手になるわけではない。サッカーを経験した人が、大人になっていろいろな分野で携わるのが本当の『サッカー大国』ではないか」とも話した。

 会長の任期は2年。これまでは財界トップが会長を務め、選手・監督出身は異例という。ただ今年、選手・監督出身の会長は日本サッカー協会に宮本恒靖氏が、大阪府の会長に永島昭浩氏が就いた。大榎氏は「現場上がりの会長が増えてきた。私も新しいチャレンジだと思っている」と語った。

 自身の強みは「現場を経験していること」とし、「現場が困っていること、悩んでいることが分かり、改善しやすい。風通しの良い、現場と意見交換できる会長でありたい」と述べた。

 また、「個人的な思い」と断った上で「女子のプロチームをぜひ、作りたい」と語った。「各年代のトップ選手が県内にいるのに、目標となるプロがないのは寂しい。静岡を代表するチームがあったらいい」と述べ、働きかけていく考えも示した。(田中美保)