「DeNA3-2中日」(11日、横浜スタジアム) 初めて味わう手荒い祝福を全身で受け止めた。DeNAは2-2の延長十回。1死三塁から京田陽太内野手が中前へプロ初のサヨナラ打。くしくも古巣相手に劇的勝利を導き、チームは3連勝。首位・巨人とゲ…

 「DeNA3-2中日」(11日、横浜スタジアム)

 初めて味わう手荒い祝福を全身で受け止めた。DeNAは2-2の延長十回。1死三塁から京田陽太内野手が中前へプロ初のサヨナラ打。くしくも古巣相手に劇的勝利を導き、チームは3連勝。首位・巨人とゲーム差なしの2位に浮上した。

 見逃せばボール球の低いスライダーに泥くさく食らいついた。「あのボールを打とうとは思ってないですけど、反応というか、何か起こそうという気持ちがいいところにいってくれた」。八回の打席では見逃し三振で併殺に倒れただけに、悔しさをバットにぶつけた。

 敗色濃厚のムードが漂っていた。打線は二回以降つながらず計4併殺。しかし、1点を追う九回にドラマが待っていた。2死走者なしからオースティンがしぶとく四球を選び、続く4番・牧が右翼フェンス直撃の同点適時二塁打。起死回生の一打に牧は二塁ベース上で両手こぶしを何度も突き上げた。その気迫のこもる姿にベンチも総立ちとなり、サヨナラ勝利への執念を呼び起こした。

 12日からはいよいよ東京ドームで巨人との首位決戦に挑む。前半戦ヤマ場の9連戦。スタートとなった9日の中日戦を前に、選手たちに「8勝以上を目標にしよう」と数字でゲキを飛ばした三浦監督は「変わらず一戦一戦やっていくだけ」と努めて冷静な面持ちでかぶとの緒を締めた。