「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(20日、両国国技館) 2月24日に獲得した王座の初防衛戦に臨む田中恒成(29)=畑中=が9日、名古屋市内の畑中ジムで公開練習と記者会見を行った。 田中のスーパーフライ級は激動の季節…

 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(20日、両国国技館)

 2月24日に獲得した王座の初防衛戦に臨む田中恒成(29)=畑中=が9日、名古屋市内の畑中ジムで公開練習と記者会見を行った。

 田中のスーパーフライ級は激動の季節を迎えている。6月29日(日本時間30日)にはジェシー・ロドリゲス(米国)がフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)を7回KOに沈めてWBC王座を奪取。今月7日にはIBF王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)がWBA王者の井岡一翔(志成)を激闘の末に判定で破って王座を統一した。

 畑中清詞会長はこの2戦の結果を踏まえて「KOっちゅうのがインパクトあるんで。インパクトのある勝ち方をして、夢をつないでほしい」と、統一戦に向けて田中にハッパ。マルティネス陣営と約2年前、一度は対戦交渉を行ったことも打ち明けた。

 田中は井岡-マルティネス戦を配信で観戦し、「とても刺激になりました。自分の標的が定まった。思うところはたくさんありますけど、標的が定まったことが一番ですね。(ロドリゲスとマルティネスの)両方ターゲットという意味で定まった」と、統一戦に意欲。 一方で「現状その2人に比べて(自分は)評価も試合内容も劣っていると感じているので、それを払拭(ふっしょく)できるように頑張りたい。思い描いているボクシングができれば結果それがKOにつながり、それが結果評価につながりっていう順番だと思う」と冷静に話した。

 2020年大みそかにプロ初黒星をつけられ、リベンジマッチ実現を目指していた宿敵・井岡の敗戦には「いろんな思いがあって。自分が一度負けた井岡選手にああいう戦い方をマルティネス選手がするのかと思いましたし、でもマルティネス選手の強さは想定内ではありましたね。(井岡の負けに)思うことは少なくはないですけど、あまりうまく伝えられない」と、複雑な心境であることを吐露していた。