■4位仙台と5位岡山が激突!  6ポイントマッチを落とした。  J2リーグ第23節が7月6、7日に開催され、4位のベガルタ仙台は6日、5位のファジアーノ岡山と対戦した。仙台は勝点38、岡山は37で、J1昇格プレーオフ圏同士の重要な直接対決…

■4位仙台と5位岡山が激突!

 6ポイントマッチを落とした。

 J2リーグ第23節が7月6、7日に開催され、4位のベガルタ仙台は6日、5位のファジアーノ岡山と対戦した。仙台は勝点38、岡山は37で、J1昇格プレーオフ圏同士の重要な直接対決だ。

 今シーズン最初の対戦では、1対4の大敗を喫している。仙台にとってはシーズン最多失点で、アウェイに乗り込んだこの日はDFラインに手を入れた。右SBに高田椋汰、左SBに知念哲矢を起用したのである。CBの菅田真啓小出悠太に加えて、対人プレーに強い選手を並べたのだ。

 仙台は相手の1トップ2シャドーを警戒しつつ、両ウイングバックの飛び出しもケアしていくが、攻撃の糸口がつかめない。突破力のあるMFオナイウ情滋とMF相良竜之介が、ドリブルで仕掛ける局面がほとんどないのだ。相手の目線をズラすことができないまま時間が過ぎ、30分過ぎに先制点を奪われてしまう。その後も自陣でのボールロストからバー直撃のシュートを浴びるなど、プレーのリズムをつかめない。

 前半唯一の好機はアディショナルタイムだった。MF郷家友太とのコンビネーションからFW中島元彦が左足を振り抜いたが、シュートはバーをかすめるように逸れていく。前半のシュートはこの1本だけで、0対1のままハーフタイムを迎えた。

 後半開始とともに、森山佳郎監督が動く。小出とオナイウを下げ、DF真瀬拓海とFWエロンを投入する。真瀬は右SBに入り、高田が右SBから右CBへスライドする。エロンは2トップの一角を担い、郷家が右MFとなる。

 しかし、戦況に大きな変化はない。ハイプレスを受けて自陣でボールを失い、際どいシュートを許す場面もあった。効果的に前進できないまま、時間が過ぎていく。ホームの声援を受ける相手の出足は鋭かったが、仙台はハイプレスをどうやって回避するか、ミドルブロックをどう攻略するかの具体策を持てていなかった。

■森山監督は「僕も含めて力不足だった」

 森山監督は57分にMF工藤蒼生を下げ、MF長澤和輝を送り出す。69分には相良からMF名願斗哉へスイッチするが、その直後だった。71分、相手CKをGK林彰洋がキャッチミスし、こぼれ球を押し込まれてしまうのだ。

 両サイドからクロスを入れる場面もあったが、岡山のゴール前には人数が揃っている。86分には中島に代わって出場したFW菅原龍之助が空中戦に競り勝ったが、ヘディングシュートは枠を逸れていく。後半は6本のシュートを放ったものの、決定機と言えるシーンはなく、仙台は0対2で敗れた。

 森山監督は試合後、「僕も含めて力不足だった。個人で守る、個で失わない、前へボールを運んでいく力で相手が上だった」と完敗を認めた。6ポイントマッチを落とした仙台は勝点38のままで、勝点を40に伸ばした岡山だけでなく、同勝点のレノファ山口FCにも得失点差で劣って6位に後退した。

 仙台の総得点「29」は、リーグで8位の数字だ。J1昇格プレーオフ圏を維持するのは、得点力をアップさせたい。

 今夏の移籍市場では、山口からFW梅木翼を獲得している。梅木は180センチ超えのサイズを生かしてエアバトルで力を発揮し、攻撃の起点になることができる。ただ、今シーズンは18試合出場で3得点と、ゴール数は物足りない。

 J2は7月13、14日開催の24節を終えると、2週間のインターバルに突入する。この間に新戦力の融合をはかっていくことになるが、中断前の24節も大切だ。仙台の対戦相手は徳島ヴォルティスで、直近3試合は2勝1分と勝点を稼いでいる。シーズン序盤に比べて安定感が出てきた相手を、敵地で退けることができるか。J1昇格プレーオフ圏をキープするためには、勝点3が求められる。

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