WEEKLY TOUR REPORT米ツアー・トピックス 今年は2年に一度のプレジデンツカップ・イヤー。フェデックスカップ・プレーオフの最終戦となるツアー選手権(9月21日~24日/ジョージア州)が終わった翌週、9月28日から10月1日…

WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 今年は2年に一度のプレジデンツカップ・イヤー。フェデックスカップ・プレーオフの最終戦となるツアー選手権(9月21日~24日/ジョージア州)が終わった翌週、9月28日から10月1日まで、マンハッタンの摩天楼を望むニュージャージー州のリバティーナショナルGCで開催される。

 1994年に第1回大会が行なわれたプレジデンツカップは、米国選抜と世界選抜がそれぞれの”名誉”をかけて戦うチーム対抗戦。これは、オーストラリア人のグレッグ・ノーマンの提唱で始まった。

 チーム対抗戦と言えば、米国選抜と欧州選抜(もとは英国選抜)が覇権を争うライダーカップがある。その歴史は古く、初めて行なわれたのは1927年。以降、2年に一度開催され、ゴルフ界で「最も盛り上がる大会」とも言われていた。

 しかしながら、米ツアーなど国際舞台でも頭角を現してきたオーストラリアや南アフリカ、そしてアジアの選手たちはライダーカップには出場できず、このビッグイベントをただ見ているしかなかった。そこで、当時世界ランキング1位だったノーマンがPGAツアーと掛け合って、欧州以外の選手で構成した世界選抜と米国選抜が戦うプレジデンツカップ開催を実現させた。

 そのプレジデンツカップに出場する今年のメンバーがまもなく決定する。

 各チームのメンバーは12名。米国選抜は、過去2年間のフェデックスカップポイント(直近1年のポイントは2倍)によって、まず10名が選出される。一方、世界選抜のメンバーは世界ランキングで決められ、9月4日時点でランキング上位10名の選手が選抜入りとなる。

 そして2日後の9月6日、米国選抜のキャプテンを務めるスティーブ・ストリッカーと、世界選抜のキャプテンを担うニック・プライス(ジンバブエ)が、それぞれキャプテン推薦による残りの2選手を発表することになっている。

 ランキングトップで世界選抜入りするのは、もちろん世界ランキング2位の松山英樹(25歳)。プレジデンツカップには3大会連続3度目の出場となる。



前回(2015年)は韓国で開催され、米国選抜が僅差で勝利した

 その松山に加え、日本勢では8月22日現在で(世界選抜のメンバー選出ランキング)11位の谷原秀人(38歳)と、15位の池田勇太(31歳)が選抜入りなるか、注目される。最終決定まであと2週間あるため、日本ツアーなど出場試合で結果を残してポイントを伸ばせば、ともにメンバーに滑り込むチャンスは大いにある。また、キャプテンのプライスによって選出される可能性もあり、複数の日本人選手の出場へ期待が膨らむ。

 ちなみに、これまでプレジデンツカップに複数の日本人選手が出場したのは、尾崎直道と丸山茂樹がメンバー入りした1998年大会。オーストラリアのロイヤルメルボルンGCで行なわれたときだ。

 このとき、丸山は5マッチで全勝。世界選抜の初勝利に貢献し、その名を世界に知らしめた。その後、丸山は米ツアーで3勝を挙げることになるが、ここでの活躍が大きな足がかりになったことは間違いない。

 さて、今年の世界選抜チームは松山の他、ジェイソン・デイ(29歳/オーストラリア)、アダム・スコット(37歳/オーストラリア)、ルイ・ウェストヘーゼン(34歳/南アフリカ)、シャール・シュワーツェル(32歳/南アフリカ)ら、お馴染みのトッププレーヤーたちのメンバー入りはほぼ確実だ。

 翻(ひるがえ)って、米国選抜チームのメンバーはかなり若返りそう。タイガー・ウッズ(41歳)は今季もツアーを欠場中で、フィル・ミケルソン(47歳)も選抜入りのポイントランキングが現在18位と厳しい状況にある。さらに、デービス・ラブIII(53歳)やジム・フューリック(47歳)など、かつての常連メンバーもポイントランキング外となっている。

 彼らに代わってチームの中心を担うのは、ダスティン・ジョンソン(33歳)をはじめ、ジョーダン・スピース(24歳)や、リッキー・ファウラー(28歳)ら”ヤングガン”たち。そのうえで、先の全米プロ選手権で松山を下してメジャー初制覇を遂げたジャスティン・トーマス(24歳)や、その全米プロで、最終日最終組で回ったケビン・キズナー(33歳)など、初めてプレジデンツカップに出場する面々も多くなりそうだ。

 そうした状況にあって、米国選抜キャプテンのストリッカーは、「もし初出場の選手が多くなれば、ベテラン選手とペアを組ませたい」と語る。

「2013年のプレジデンツカップで、僕は初出場のスピースとペアを組んだ。そうしたら、彼は信じられないほど緊張していたからね。それで僕は、父親のように『大丈夫だから、大丈夫だから』とずっと言い続けなければいけなかったんだ」

 反面、若い選手たちに期待する部分も大きい。

「彼ら若い選手たちには怖さがない。だから、波に乗ったら、きっと面白い戦いになると思う」

 ブレジデンツカップは過去11回行なわれ、米国選抜が9勝、世界選抜が1勝、引き分けが1回と、米国選抜が圧倒的な強さを見せている。過去2大会連続で出場している松山も、いずれも苦杯を舐めてきた。その分、3度目の出場となる今回は、世界選抜の勝利へ並々ならぬ意欲を見せる。

「(前回の)韓国大会で負けたことは、まだ悔しさが残っている。世界選抜は1998年に1度勝っただけだし、僕が出場した2大会も負けている。今年こそ、プライスキャプテンに(勝利の)カップを届けたい」 

 世界選抜の19年ぶり2度目の勝利なるか。1カ月後が楽しみだ。