7月5日、有明アリーナで行われた韓国代表との「SoftBank CUP 2024(東京大会)」第1戦は、最終スコア84-85…
7月5日、有明アリーナで行われた韓国代表との「SoftBank CUP 2024(東京大会)」第1戦は、最終スコア84-85でタイムアップ。日本代表は最後の10分間で猛追を仕掛けたが、第2、第3クォーターの20分間で37-59と大差をつけられてしまった。
韓国との差はスタッツにも現れた。リバウンド争いでは日本の合計37本に対し、韓国は40本。最終的に3本差となったが、前半終了時点では日本が「17」、韓国が「26」だった。
日本の3ポイントシュートはこの日、35本中11本リングに吸い込まれ、成功率は31.4パーセント。一方、韓国は前半から10本中5本をヒットさせて得点を伸ばし、試合を通しても成功率50パーセント(22本中11本)という数字を残した。
「自分たちに原因があります。5対5の世界なので止められないことはないです。やっぱりディフェンスの戻りの遅さや自分たちの甘さからオープンショットが生まれたと思います」
韓国の高確率のアウトサイドシュートについて言及したのは馬場雄大。スターティングファイブに名を連ねた馬場は、「やりたいことやられたイメージです」と韓国との初戦を振り返り、後手に回った要因をこう語った。
「いい形でオフェンスができれば、いいディフェンスができます。向こうのバスケットが僕たちよりもアグレッシブだったと思います。彼らの走るバスケットに対して、僕たちはプレーをセットしようとしすぎて相手のディフェンスにはまってしまったイメージがありました。やっぱり僕たちも“走る”というメンタルにうまく切り替えることができたら、最初の段階からもう少しやり合いができたと思います」
チームとしては内容と結果の両方が振るわなかった。しかし馬場は、「僕自身はすごくよかったのかなと思っています」と、自身のプレーに関しては手応えを感じていた。
この日は第3クォーターまで無得点。それでも、「このままでは終われない」と最終クォーターのコートに立つと、最初の速攻で相手のファウルを受けてフリースローから得点を挙げた。このプレーが口火となり、日本は一時試合をひっくり返すことに成功。最終盤にはボールマンへ激しいプレッシャーをかけて8秒バイオレーションを誘発し、アリーナを大いに沸かせた。昨季のBリーグで「ベストディフェンダー賞」に輝いた実力を示した瞬間でもあった。
来たるパリオリンピックで、日本は開催国のフランス代表、2023年のワールドカップ王者のドイツ代表と予選ラウンドで対戦することが決まっている。強豪国との本番へ向け、「積極的にコートでトライできました」と馬場。オフェンス面では「止まれました」と表現し、その理由をフランスとの対戦を例に挙げて語った。馬場が最も警戒するのは、出場が見込まれる216センチのルディ・ゴベアと222センチを誇るビクター・ウェンバンヤマだ。
「いつもだとドライブのあとに体が流れたままレイアップにいってターンオーバーなってしまうことがありますけど、ちゃんと止まって他の選手にフィードすることをずっと練習してきたので、そこはできたかなと。僕の頭の中ではドライブからランニングステップでレイアップに行ってしまうと、絶対にウェンビーやゴベアにブロックされてしまうと思うので、ドライブのあとにそのままジャンプせずに止まって、自分のマークマンの出方次第でどうアタックするのかをすごく考えています」
「ゴールはここじゃないですし、韓国よりもサイズがあるチームに対してどう戦うかが重要」と、馬場はオリンピックでの対戦国をイメージしながら強化試合を戦っている。そんな中でも、7日の第2戦はオリンピック前の国内ラストマッチ。「次は今日の第4クォーターの内容を最初から出せるようにしたいです」。自らのプレーで流れを引き寄せ、日本に勝利をもたらしてくれるに違いない。
文=小沼克年