■ 大勝した第1戦から進歩「改善できていた」  7月6日、バスケットボール女子日本代表の国際強化試合「三井不動産カップ2024…

■ 大勝した第1戦から進歩「改善できていた」


 7月6日、バスケットボール女子日本代表の国際強化試合「三井不動産カップ2024(東京大会)」が行われ、日本代表(FIBAランキング9位)は、92-50でニュージーランド代表(同26位)に勝利。国内ではパリオリンピック前最後となる強化試合2連戦を勝利で飾った。

 25本の3ポイントシュートを決めた第1戦とは打って変わって、この日はチーム全体の3ポイント成功率が26.7パーセント(12/45本)にとどまったが、36本のターンオーバーを誘うなど守備から主導権を握って圧倒。山本麻衣、林咲希といったシューター陣は不発でも、髙田真希が3ポイント3本を含む23得点、宮澤夕貴も同4本を含む16得点と存在感を見せ、100得点の大台に迫る大勝で締めくくった。

 チームの指揮をとる恩塚亨ヘッドコーチは、「今日のゲームも引き続きコミュニケーションとディフェンスのプレッシャーをテーマに掲げていました。ディフェンス面ではチームとして連携・連動して守るということは前回(4日・ニュージーランド戦/125-57)より改善できていて良かったと評価します」と選手たちが見せたパフォーマンスを振り返りつつ、「1試合目はアップサイドのゲームでいい流れの中で気を引き締めて最後まで戦い抜くことができていましたし、2試合目はダウンサイド、シュートが来ない、いい時間じゃない時にどうプレーできるかというところで、ディフェンスからのトランジションだったり、ここにいる2人がチームをリードしてくれた」と、会見に同席した林咲希と髙田真希の働きにも言及した。

■ 3P不発も前向き…チームの成長も実感


 この日、チーム最多11本の3ポイントシュートを放ちながら、わずか1本の成功に終わったキャプテンの林も、「今日は全体的に3ポイントの確率は低かったですけど、2ポイントを取る練習もやってきたので、そこの部分に関してはプレーの幅が前より広がったと思います。リバウンドやディフェンスの部分でいうと、オフェンスが上手くいかなかったときにやらなければいけないことをみんなが理解しながらできたのは良かった」と、3ポイントシュートの精度以上に、チームのテーマとして掲げていた守備の向上に手応えを感じている様子だった。

 髙田真希は連日1万人超えの観客が訪れたことへの感謝と喜びを口にしつつ、「一昨日とは違った展開になりましたけど、なかなかシュートが入らないなか修正しながらプレーできたこと、後半は自分たちのディフェンスからブレークしてリズムをつかめたのが良かった」と、我慢の試合展開となったことも前向きにとらえた。

 また、長らく日本代表を支えてきた髙田は、恩塚体制となってからのチームの成熟ぶりについて、「進化というよりも恩塚さんの目指しているバスケットに自分たちがフィットしてきたと思う。プレーの技術はみんな素晴らしい物を持っているので、あとは頭で考えていることをいかに体現できるかがバスケットの難しいところなので。最初はなかなかうまくいかなかったですけど、そこから少しずついろいろな経験をしていく中で、やっていくなかでわかることもたくさんあった。技術面というより、頭・考えることが成長した部分だと思います」とコメント。今回の東京での2連戦も、パリ五輪へ向けて着実に歩みを進める強化試合となった。

 指揮官は今後修正していきたい点として、「オフェンスでいうと、シュートの確率をしっかり高めていくこと。今日は3ポイントの確率が低かったですが、その確率を上げていくこと。あるいは3ポイントが入らないときにプレーをどうデザインしていくかだと思います。ディフェンスはペイントエリアの失点をいかに減らせるか。ローテーションいかに早くできるか」と、チームの現状と金メダル獲得への課題を説明。「ひとつ大きなポイントとしてはトランジションで走られないように高い位置から仕掛けることは引き続きやっていきたい。プレッシャーをかけることで相手を停滞させることにこだわっていきたいと思います」とも語った。

 “走り勝つシューター軍団”をチームコンセプトに掲げて金メダル獲得を目指す日本代表は、今後ヨーロッパ遠征を実施し、7月19日にフランス代表(同7位)、21日にベルギー代表(同6位)と対戦。29日に東京五輪決勝で敗れたアメリカ代表(同1位)とパリ五輪の初戦で激突する。