「男子ゴルフ・日本プロ選手権・第3日」(6日、富士C可児C志野C=パー72) 首位から出た蟬川泰果(23)=アース製薬=が1イーグル、4バーディー、1ボギーの67をマーク。通算18アンダーで単独首位に浮上した杉浦悠太(22)=フリー=に2…

 「男子ゴルフ・日本プロ選手権・第3日」(6日、富士C可児C志野C=パー72)

 首位から出た蟬川泰果(23)=アース製薬=が1イーグル、4バーディー、1ボギーの67をマーク。通算18アンダーで単独首位に浮上した杉浦悠太(22)=フリー=に2打差をつけられ、16アンダーの2位に後退。1学年下のライバルにトップを譲ったものの、最終日の逆転で尾崎将司の27歳248日を超える23歳178日の史上最年少国内メジャー3冠を目指す。首位から出た清水大成は71と伸ばせず、6打差の4位に後退した。

 タイガとユウタ、二人の若き才能がプロ日本一を決める頂上決戦で火花を散らした。取っては取り返しての怒とうのバーディー合戦。蟬川はしのぎたかった18番のパーパットを外して、杉浦との差が2打に開いたが「どう追いつけるように頑張るか、というのが今の気持ち」と前を向いた。

 気の抜けない攻防だった。2番パー5で6メートルのイーグルパットを沈めるなど順調にスコアを伸ばした。ただ、前半を単独首位で折り返したものの、杉浦との差は1差。さらに、12番からの4連続バーディーを目の前で見せられると、自身は13、14番のチャンスを決めきれず。「自分も良いゴルフをしているつもりだけど、フラストレーションがたまる」と重圧も感じてトップの座を譲った。

 学年は蟬川が一つ上だが、アマチュア時代から良きライバルだ。ナショナルチーム出身で日の丸を背負ってきた仲間。プロ入り後も練習ラウンドや食事をともにすることも多い。メジャーでは22年の日本オープン選手権3日目で同組となり、「メジャーの優勝争いで回れるのは楽しみ」とこの対決を熱望していた。

 二人ともアマチュア優勝でツアー史に記録を残した。一方で、記録に対するこだわりは対照的。「記録はあまり気にしない」と杉浦が言えば、蟬川は18番の今大会初ボギーで、同大会史上初の4日間ボギーなしを達成できず「めっちゃ悔しい」とため息をついた。

 それでも、ボギー数わずか1つで優勝すれば、同大会では96年尾崎将司、08年片山晋呉に続いて3人目の最少記録。これまた“ジャンボ超え”の史上最年少での国内メジャー3冠も見える。熱い岐阜での一騎打ちを制して、歴史を塗り替えたい。