<明治安田J1:町田1-0名古屋>◇6日◇第22節◇Gスタ首位のFC町田ゼルビアがホームで名古屋グランパスに1-0と勝利した。前半30分にMF下田が先制点を挙げると、チーム一体の守備を披露。福岡と並び今季最多となる10試合目のクリーンシート…

<明治安田J1:町田1-0名古屋>◇6日◇第22節◇Gスタ

首位のFC町田ゼルビアがホームで名古屋グランパスに1-0と勝利した。前半30分にMF下田が先制点を挙げると、チーム一体の守備を披露。福岡と並び今季最多となる10試合目のクリーンシート(無失点)で勝ち点3を積み上げた。

黒田剛監督の美学「ウノゼロ(1-0)」が展開された。ゼルビアが掲げる「させないサッカー」。大事にするのはインテンシティー(プレー強度)、トランジション(攻守の切り替え)。そのキーワードを具現化する看板選手と言えば、パリ五輪代表に選出されたFW藤尾とMF平河。同じU-23世代で2人以上の輝きを放っているのが、右のサイドバックを務める望月ヘンリー海輝(22)だ。

望月は前半からエンジン全開だった。タイミングのいい攻め上がりで右サイドを崩し、決定的な場面を演出した。そして前半30分、右サイドで相手クリアボールを拾い、ゴール前へ的確なクロスボールを送る。いったんはね返されたが、その2次攻撃から下田の先制点へとつながった。

国士舘大卒のルーキー。192センチの長身でストライドの長いダイナミックな走りで攻守に疾走する。直近5試合にフル出場し、チームも3勝2分けと無敗。ポジショニングの甘さ、不用意なパスミスなど粗削りな部分もあるが、黒田監督が目をつむって起用を続ける。「アイツじゃないと止められないスピードがある。もう少し経験が必要だが、使いながら育てたい」と言い、その素材について「日本代表にも選ばれる逸材」とほれ込んでいる。

昌子、谷という日本代表経験者はいるが、いわゆる「スター選手」はいない。ピッチに立つ選手はみな懸命に走り、組織として愚直に、妥協なく戦い続ける。希代の勝負師に率いられ、堅守・町田の勢いは止まらない。【佐藤隆志】