「ボクシング・WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦」(7日、両国国技館) 世界スーパーフライ級2団体王座統一戦を行うWBA王者の井岡一翔と、IBF王者のフェルナンド・マルティネスが5日、都内で調印式とグローブチェックを行った。両雄…

 「ボクシング・WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦」(7日、両国国技館)

 世界スーパーフライ級2団体王座統一戦を行うWBA王者の井岡一翔と、IBF王者のフェルナンド・マルティネスが5日、都内で調印式とグローブチェックを行った。両雄は4月22日の記者会見以来の顔合わせで、35歳の井岡は「とても大事な試合だし、もしかしたら最後の試合になるかもしれない」と戦いに臨む覚悟を示した。一方、32歳のマルティネスは「偉大な試合、歴史に残る試合にしたい」と神妙に語った。

 井岡は、6月30日に生配信されたABEMAの番組『ABEMAスポーツタイム』で「5歳と2歳の子供がいて、この子たちが『お父さんはボクシングの世界チャンピオン』と認識できるまで頑張りたい」と口にした。

 この発言に関して、何年続けたいか?と聞かれると、ボクシングは「やりたくても続けられるか分からない職業」だとした。そして「一戦一戦が大事な試合なので、次の試合もとても大事だし、もしかしたら最後の試合になるかもしれないし、やりたくてもやれないというのが人生だと思う」と、過酷な競技を続ける上で常に抱いている覚悟を示した。

 現在35歳。そのように覚悟している者として「後々のことも大事だけど、自分としてはこの年齢になって一戦一戦、大事な気持ちで戦っている」と、マルティネス戦にかける思いを明かした。

 井岡のトレーナーを務めるイスマエル・サラス氏(67)は「当日は井岡のすごさが分かると思う。アルゼンチンが、サッカーではとても勝っているのをよく分かっている。われわれはサッカーでは勝てない」とした。2022年サッカーW杯カタール大会を制した、マルティネスの出身国のアルゼンチンを引き合いに、言外にボクシングでは勝つとアシストした。

 決戦を2日後に控えた王者は「今はもう自分自身にフォーカスしているので、相手を特に思うことはない」と、静かに己を見つめていた。