「広島7-5阪神」(4日、マツダスタジアム) 総立ちのベンチに向け、力強く拳を握った。負けられない一戦で、広島・堂林翔太内野手がリードを広げる2点適時二塁打をマーク。試合終盤の価値ある一打で、勝利への可能性をグッと高めた。 「羽月さんの走…

 「広島7-5阪神」(4日、マツダスタジアム)

 総立ちのベンチに向け、力強く拳を握った。負けられない一戦で、広島・堂林翔太内野手がリードを広げる2点適時二塁打をマーク。試合終盤の価値ある一打で、勝利への可能性をグッと高めた。

 「羽月さんの走塁で楽にしてもらったので、自分のヒットがあったのかなと思います」

 同点で迎えた八回だ。代走・羽月の2盗塁などで好機を広げ、2死満塁で打席を迎えた。その初球に石井の暴投で三走・羽月がホームイン。1点を勝ち越し、右腕との勝負に全集中を注いだ。

 カウント1-2から、低めのスライダーを左翼線へ。「打った瞬間抜けると思いました」。二塁に到達し、本拠地の大歓声をかみしめるように、ガッツポーズを繰り出した。

 1点ビハインドの四回1死一、三塁では二飛に倒れ、天を仰いだ。「反省もくそもないんですけど」と苦笑いしつつ、「やってる時は無我夢中なので。来た場面、来た場面でやろうと思っています」と1試合の中で、切り替えながら打席に立ち続けている。

 負ければ2位・阪神に1ゲーム差に迫られていた重要な一戦を、逆転勝ちでもぎとった。「3連敗中だったので、本当に良かったと思います」と堂林。名前がコールされると、ひときわ大きな声援が送られるのが鯉党から期待されている証拠だ。勝負強いベテランがここぞの一打でチームを勝利へ導いていく。