復活ののろしを上げるゴールとなりました。6月29日土曜の川崎F戦、0―1のビハインドで迎えた88分にチームを救う同点ゴールを奪ったのは満田誠選手。「ここまでチームの力になれていなかった。最後まで起用してくれたスタッフの期待に応えたいと思っ…

 復活ののろしを上げるゴールとなりました。6月29日土曜の川崎F戦、0―1のビハインドで迎えた88分にチームを救う同点ゴールを奪ったのは満田誠選手。「ここまでチームの力になれていなかった。最後まで起用してくれたスタッフの期待に応えたいと思っていた中で気持ちが乗ったと思う」。2022年のプロ入り以降、絶対的な主軸として活躍しながら今季はレギュラー落ちを経験する不振にあえいでいた男の意地の一発でした。

 今シーズンも折り返しを迎えた中、満田選手が川崎F戦前までにリーグ戦で奪ったゴールはPKの1点のみ。本来は前線からのハードな守備に加え、パンチのあるシュートを備える選手ですが、試合では精彩を欠くプレーが目立ち、5月途中からは「本来のマコが見たい」(スキッベ監督)とレギュラーから外れるようになりました。さらに6月19日水曜の横浜FM戦では、相手へのファウルで2度の警告を受けて退場。ひとりロッカールームへ戻ると、悔し涙を流す背番号11の姿がありました。

 ただし、この“負けん気”こそが満田選手の真骨頂です。振り返ると、広島に来るキッカケとなったのも、退場でした。満田選手が熊本のクラブチームでプレーしていた中学生の時、同じく相手へのファウルで退場。もちろん、悪質なプレーは良くありませんが、この試合を視察していた広島ジュニアユースの沢田謙太郎監督(現・育成部部長)は、満田選手の気迫あるプレーを評価。「こういう選手こそ、とろう」とスカウトに進言したと言います。その結果、広島ユースへ加入。誰よりも負けず嫌いな姿勢は、プロになった今も健在です。

 「走れるマコが戻ってきた」とは最近のスキッベ監督。高い決定力、そして気持ちも上向いてきた男の反撃はここから始まりそうです。(サンフレッチェ広島広報部・泰良和彦)