浅野は長打力も持ち味とされる(C)産経新聞社  巨人は7月2日に行われた中日戦(松本)に1-2と敗れ、またも勝率5割に逆戻り。この日勝利した阪神と入れ替わる形で4位に転落した。 山崎伊織が先発。初回から飛ばしていたが、…

 

浅野は長打力も持ち味とされる(C)産経新聞社

 

 巨人は7月2日に行われた中日戦(松本)に1-2と敗れ、またも勝率5割に逆戻り。この日勝利した阪神と入れ替わる形で4位に転落した。

 山崎伊織が先発。初回から飛ばしていたが、5回、福永裕基に2号2ランを浴びて逆転を許した。その後も粘り強く投げ7回6安打2失点と試合を作るも、打線の援護なく2敗目を喫した。

【動画】黄金ルーキー浅野翔吾がプロ初スタメン、初ヒットを放ったシーンの映像

 

 試合前まで地方球場で今季4戦4勝と「地方球場の鬼」とまで言われた右腕も力尽きた。

 打線では西武から加入した若林楽人が2試合連続の適時打をマークするなど明るい材料もあったが、好機に1本が出ず、これでチームは7戦連続1点差ゲームとなるなど、得点力不足、好機の一打が引き続きの課題となっている。

 再び4位転落、チームのムードを変えるためにも起爆剤となる選手の存在が求められている。

 注目の存在となるのはファームで調子を上げてきた2年目外野手の浅野翔吾だ。2日に行われたイースタン・ロッテ戦(ロッテ浦和)では持前の豪快な打撃でアピールした。

 「5番・中堅」で先発した浅野は1点を追う6回一死一塁の場面、2番手・菊地吏玖の初球直球を捉えて、左翼スタンドへ叩き込んだ。一時逆転となる2ランを放つと勢いは止まらない。

 チームが7回に逆転された直後の8回にも4番手・八木彬からまたも直球を捉えて、左翼スタンドにソロを放った。5、6号と2打席連発はプロ初、直近5試合で4発、20打数10安打で打率5割と急激に状態を上げてきた。

 プロ2年目の今季はファームで桑田真澄二軍監督の下で改めて体作りや、状況に応じてのバッティングなど、プロとして生き残る道を学ぶ時間にあてられている。

 また浅野といえば、昨年のプロデビュー時の光景がジャイアンツファンに鮮烈に焼き付いている。

 昨年7月8日のDeNA戦(東京ドーム)、6回途中から代打出場で1軍デビューを飾ると初打席は空振り三振に終わり、そのまま入った右翼守備では右中間の当たりに足を滑らせて、ずっこけた。
 
 続く8回の打席も連続三振に倒れたが、プロの球にフルスイングで果敢に向かっていく姿勢、また守備で思わぬミスをした後には登板していた菅野智之に突っ込まれるなど、笑いに包まれた「浅野劇場」がくり広げられたのだ。

 プロ1年目から本塁打をマークするなど大器の片りんを見せ、常に笑顔を絶やさない明るいムードは今の停滞するチームにこそ求められるピースとなるかもしれない。

 将来の中軸候補と見られる背番号「51」が再び1軍で見られるのはいつとなるのか。さらなる成長も期待したいところだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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