【栃木】世界のトップ選手が出場する自転車の国際大会「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」が今年も開催される。宇都宮市が主催し、10月に開かれる。国内外のトップ選手が集まる一大自転車イベントだ。 昨年の大会は、計14万1300人が来場…

 【栃木】世界のトップ選手が出場する自転車の国際大会「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」が今年も開催される。宇都宮市が主催し、10月に開かれる。国内外のトップ選手が集まる一大自転車イベントだ。

 昨年の大会は、計14万1300人が来場した。

 今年は第31回大会となる。UCI(国際自転車競技連合)の公認レースで、世界のトップ選手のほか、地元チーム「宇都宮ブリッツェン」を含む19チームから計114人が出場する予定だ。

 10月18日の金曜日には、出場チームの全選手が集まるイベントが、市中心部のオリオンスクエア(宇都宮市江野町)である。

 翌19日には「ジャパンカップクリテリウム」が宇都宮市大通り周回コースであり、一般車両を通行止めにする。20日は、「ジャパンカップロードレース」が市森林公園周回コースで開かれる。

 市は今大会から、大会名の頭に「宇都宮」を加えた。また、大会のロゴマークも新しくした。自転車のホイールやロードレースの疾走感、宇都宮の「U」の文字などをモチーフにデザインした。色合いには、市内を走る次世代型路面電車(LRT)のシンボルカラーの黄色も取り入れている。

 秋の本番に向け、大会をPRするため、宇都宮市と芳賀町を結ぶLRTのラッピング車両が6月22日から運行している。3車体の1編成で走行中だ。

 LRTを運行する宇都宮ライトレール株式会社の担当者は「躍動感のある車両のデザインになった。大会の知名度を高めたい」と話している。

 大会の問い合わせは、市スポーツ戦略室(028・632・2460)へ。

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 世界の有力選手が集まる大会、宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース。選手として出場経験を持つ、自転車チーム「宇都宮ブリッツェン」の広瀬佳正GM(46)に、大会の魅力に加え、自転車に詳しくない人の観戦の楽しみ方を聞いた。

 ――ジャパンカップの魅力とは

 欧州では自転車競技は国技に近い。サッカーに次ぐ人気スポーツだ。

 100年以上の歴史がある世界最高峰のレース「ツール・ド・フランス」は毎年夏に開かれ、世界にライブ配信されている。

 一方、日本の宇都宮に世界のトップ選手が集結するのがジャパンカップだ。国内で開かれる最もレベルの高い大会になる。年々、出場者のレベルも上がってきている。

 昨年は、世界選手権で優勝経験のあるジュリアン・アラフィリップ(フランス)が出場し、話題を集めた。過去には、ツール・ド・フランスを連覇したタデイ・ポガチャル(スロベニア)も出たことがある。

 ――なぜ宇都宮でそれほどの大会が開かれるようになったのか

 1990年夏、宇都宮市で世界選手権自転車競技大会が開催された。お客さんが来て、予想以上に盛り上がった。

 これをきっかけとして、世界選手権と同じコースを使い、92年秋からジャパンカップサイクルロードレースが始まった。

 ――コースの特徴は

 ロードレースは起伏があり、選手が走るにはきつい。ただ、下り坂の後は平地もある。

 勝つ選手は、経験と実力、所属するチームの総合力を備えていることが必要だ。

 上りが得意な選手、瞬発力のある選手、全てをこなすオールラウンドの選手、いずれのタイプでも勝つチャンスがある。やる方も見る方も結果に納得できる大会だと思う。

 観客はスタート地点から歩いて、メインの上り坂の観戦地点まで行ける。スタートもゴールシーンも、つづら折りになっているメインの上り坂も見ることができる。いろんな観戦の仕方ができる魅力がある。

 たくさんのお客さんがいるので、本場の欧州の大会のような雰囲気も味わえる。

 ――自転車に詳しくない人の楽しみ方は

 現地で実況の解説を聞きながら見ると、楽しめる。お客さんの興奮、空気感も伝わってくる。

 市森林公園のコース沿いを移動して、観戦する人も多い。自分が歩いて移動して上った坂を、選手がすごいスピードで何度も駆け上がってくる。同じ人間とは思えないと感じるかもしれない。

 ――宇都宮ブリッツェンとして、ジャパンカップをどう戦うか

 2017年のロードレースで、所属していた雨沢毅明選手が3位に入った。表彰台に上るのがチームの目標だったので、一つの集大成となった。

 今年の大会で言えば、市中心部を周回するクリテリウムは、フォン・チュンカイ選手が一番スプリント力がある。ロードレースは、谷順成主将が中心となり戦うことになるだろう。(山下龍一)