テニスにバドミントン、卓球が混ざったような競技「ピックルボール」。発祥の米国では900万人がプレーしているとされる。日本でも少しずつ知名度が上がっているという。ピックルボールの魅力を探りに、4月中旬、赤坂サカス(東京都港区)の屋外で開かれ…

 テニスにバドミントン、卓球が混ざったような競技「ピックルボール」。発祥の米国では900万人がプレーしているとされる。日本でも少しずつ知名度が上がっているという。ピックルボールの魅力を探りに、4月中旬、赤坂サカス(東京都港区)の屋外で開かれた体験イベントに参加してみた。

 卓球ラケットを少し大きくしたような板状の「パドル」で、穴の空いたプラスチックのボールを打ち返すのが基本的なルール。イベントの日は平日の昼間だったが、大学生や通りがかりの会社員が参加し、コートは大盛り上がりだった。

 男女で楽しそうにプレーする大学生を見ていると、私もやりたくなってきた。イベントを主催したTBSの担当者に頼み、スーツのままプレーさせてもらった。

 人生初のピックルボール。通りすがりの人たちの視線を感じながら、やや緊張気味にコートに立つ。インストラクターからパドルの握りや振り方を教わり、ラリー(ボールの打ち合い)に挑戦してみた。

 穴が空いたボールは空気抵抗を受けやすく、打球速度が落ちるため、打ち返しやすい。パドルも高反発で、ボールを打つというよりは、拾うイメージ。軽い力で相手コートに返すことができる。

 思っていたより簡単で、プレーを続けるうちに緊張はほぐれた。気づけば、ラリーの回数を大きな声で数えるほど夢中になっていた。

 スポーツの多くは、やってみると意外に難しいもの。ここまで「簡単だ」と感じたのは初めてだった。男女や年齢に関係なく、誰でも手軽にプレーできそうだ。

 日本ピックルボール協会によると、国内の競技人口は1万人に満たないが年々、増え続けているという。実際にプレーしてみて、人気の理由が分かった。米国に次ぐ「ピックルボール大国」になる日も、そう遠くないのかもしれない。(吉村駿)