暴言で罰金を受けた今回のGPではレースでの結果も思わしいものではなかった(C)Getty Images

 欧州での戦いが盛り上がりをみせているF1は現地6月30日にオーストラリアGP決勝が開催された。3戦ぶりのポイント獲得が期待された角田裕毅(RB)は、フリープラクティス(FP)では9位と速さをみせていたものの、決勝では14位でフィニッシュとまたも不本意な結果に終わった。レースはジョージ・ラッセル(メルセデス)が今季初優勝を飾り、2位にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が入った。

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 14番グリッドからのスタートとなった角田は22週目に最初のピットインを行うなど、序盤でのタイヤ交換を行ったチームメイトのダニエル・リカルドとは異なるレース戦略をとるもペースを上げられず、その後、2度目のピットインでもポジションを落とすなど中団にとどまり続け14位というリザルトに終わっている。

 リカルドは決勝で9位に入り、2戦ぶりのポイントを獲得、両ドライバーで明暗が分かれるグランプリとなった。だがチーム首脳からは、今回の結果やそれぞれの走りに対し、前向きなコメントが発せられている。

 英モータースポーツサイト『Pitpass.com』では、レース終了後のRBチームのローラン・メキース代表と、車両パフォーマンス担当チーフエンジニアのクラウディオ・バレストリ氏のコメントを紹介している。

 メキース代表は「バルセロナから数日間、ファクトリーとサーキット上の全員が、積極的な開発プログラムの一環として導入したアップデートの理解を深めるために懸命に取り組んできた。その作業はここでのフリー走行でも続けられ、スプリントでも貴重なデータを得ることができた」として、前回のスペインGPからのチーム全体の働きへの印象を語った。

 他にも、ノーポイントに終わった角田には「ユウキは予選でも決勝でもほんのわずかの差だったが、中盤のバトルが相変わらず拮抗していたため、今日はポイント圏外に落ちてしまった」とパフォーマンスを評している。

 また、バレストリ氏はチームオーダーに言及しており、「アンダーカットはダニエルにとって非常にうまく機能した」と早めのピットストップから順位を上げていったダニエルの結果を称える一方、苦しいレースとなった角田については「最後のスティントを短めに走ったため、アドバンテージを最大限に活かすことができず、14位でフィニッシュした」と振り返った。その上で、「まだ前向きな気持ちでいる。今は来週のシルバーストーンでのレースに向けて気持ちを切り替えている」と次戦での角田の巻き返しに期待を寄せている。

 今回のグランプリで角田は、予選中での不適切発言により罰金という処分が下されるなど、ネガティブな話題で注目を集めることとなった。わずかな日にちを経て迎えるイギリスGPでは、本来の走りとともに、角田の明るい表情がみられることを願うばかりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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