「部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp」Supported by 明治プロビオヨーグルト R-1 は、トップアスリートが全国の部活動チームを訪問して特別指導や交流の中で選手の持つポテンシャルを引き出す、部活生応援プロジェクトだ。▼…

「部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp」Supported by 明治プロビオヨーグルト R-1 は、トップアスリートが全国の部活動チームを訪問して特別指導や交流の中で選手の持つポテンシャルを引き出す、部活生応援プロジェクトだ。

▼前編動画はこちらから

https://sportsbull.jp/p/1835669/

▼「RiseUP」特設ページ

https://sportsbull.jp/riseup/

第5回目の特別講師は元プロ野球選手の糸井嘉男さん。19年間の現役生活で首位打者や盗塁王のタイトルを獲得。他にもベストナイン計5回、ゴールデングラブ賞は計7回受賞しており、侍ジャパンの一員として国際舞台にも立った糸井さんが京都府福知山市立日新中学校を訪問した。

暑さが増してきた平日の午後、まず株式会社 明治の管理栄養士・石井礼菜さんによる栄養講座が行われた。今回は初めて全校生徒が参加することになり、体育館に550人を超える生徒が集まったところで、糸井さんがサプライズ登場!姿を現した瞬間、「え~っ!!」という生徒たちの驚きの声が響き渡った。糸井さんは「えらい静かですね(笑)」と第一声で笑いを取りにいき「じつは僕が中学生のとき、練習試合でこの学校に来たことがあるんですよ。そのとき以来ですね」と昔の思い出を話している。生徒からの質疑応答にも軽快なトークで対応するなど、場の空気を盛り上げていた。

 栄養講座では中学生に摂取して欲しい栄養や、その為の食生活のアドバイスなどが石井さんから伝えられた。「皆さんは成長期。普通の大人が必要な分にプラスして、成長期の分も栄養を取らないといけません。スポーツをしている人は、さらにカラダを動かすための栄養を摂らないといけないことを覚えてください」という話にうなずく生徒たち。他にも「朝食を毎日ちゃんと食べる人の方が、テストの成績がいいというデータがあります」という話は、生徒の食いつきがひときわ大きかった。3度の食事や休養睡眠など休息の大切さなど、部活動をする生徒はもちろん、していない生徒に向けても有意義な栄養講座だった。

 生徒と一緒に聞いていた糸井さんは「正直に言います。僕が中学生の時は、食生活は何も意識していませんでした」と苦笑いを浮かべながら「でも、量はめっちゃ食べていました。お母さんは弁当箱を二つ持たせてくれて、一つは米、もう一つはおかず。それでも足りなかったら食堂へ行っていました」と188㎝の大きな身体を作った食事を振り返っている。そして生徒たちへむけて「管理栄養士さんが話していたように、人間のカラダは食べたものから出来ている。朝昼晩の3食でバランスよく食べることが大事ですよ」と話していた。

続いて、軟式野球部へ向けた糸井さんによる特別レッスンが行われた。部員たちがグラウンドへ移動してウォーミングアップをしているところへ、愛称である『超人』の文字が刺しゅうされた特注グローブをはめた糸井さんが登場。一礼してグラウンドへ入ると、さっそくキャッチボールをする選手たちを見て回りながら「ナイスボール!」と大きな声で盛り上げる。選手の投げ方を見ながら「レベルが高いね。キャッチボールの中でもカットボールを投げたりして、意識も高いよ」と驚いた様子だ。

バッティング練習では選手のスイングを近くで見て「ボールをもう少し内側でとらえて振り抜こう」、「遠心力を使うことも大事だよ」と個別の課題に対する技術指導に熱が入る。そして会心のスイングができたときには「そうそう、そんな感じ」と笑顔を見せたり、選手とハイタッチをかわす場面もあった。

そして、レッスンの最後には糸井さんと野球部ピッチャーとの1打席対決が実施された。日新中学校は昨年に近畿代表として全国大会へ出場している強豪校だ。一人目のピッチャーは変化球を駆使して挑み、打席に立つ糸井さんも「何なん、いまのボール!?」と驚きの様子。それでも見学する選手たちが阪神タイガース時代の応援歌を歌うという援護射撃を受けてフルカウントから三遊間を抜けるヒットを放つと、速球派の二人目からも二遊間を破るヒット。三人目はライトへ飛んだフライを深く守った外野がキャッチしたが、野球部のコーチが「グラウンドが広いから捕れたけれど、球場ならホームランの飛距離ですよね…」とつぶやくバッティング。打った方向もレフト、センター、ライトと全て違う方向へ打ち分けていた。

最後に選手からの「野球で一番大切なことは?」という質問に対して、糸井さんは「野球を好きでいること。レベルが上がるにつれてキツくなっていくし、回りにもレベルの高い選手たちが増えてくる。そんなときでも自分を信じることです」と答えた。そして「みんな、とてもレベルが高かったです。これから上のステージへ向かうと思うけれど、諦めない気持ちを持って欲しい。当たり前のことなんだけど本当に大事なことで、挫折もあるだろうし辞めるのは簡単なんだけれど、自分を信じて、負けない心を持って下さい。一歩を踏み出して、どんどん挑戦して欲しいです」と熱いエールを送っている。キャプテンの川北健瑠くんは「今日教わったことを大事にして、全国制覇を目指してがんばります!」と感謝を伝え、糸井さんも「日新中学校、見ているからね!がんばって下さい」と激励した。

特別レッスンを終えて川北君は「糸井さんは体の大きさや打球の早さが全然違ってビックリしました!」と興奮さめやらぬ様子だった。「技術的なアドバイスが参考になったし、練習前よりバッティングの飛距離やボールを捕らえる角度が変わったと思います」と変化を感じている様子だった。7月からは2年連続の全国大会出場をかけた地区予選がスタートする。この日に学んだことをこれからの練習や食生活に生かして、どんどん成長していくことだろう。

糸井さんは「学生時代を思い出しましたね。練習を見てもやるべきことをやっているのが伝わってきたし、個人個人の技術も高い。中学生でまだまだ伸びしろがあるので、もっと上のレベルでやって欲しいですね」と現役部活生たちを称賛した。また、同じ京都府北部出身の選手として「僕も田舎育ちで、都会の強豪校を見ると怯みがちだった。そこで大谷翔平選手の『憧れを捨てましょう』じゃないけれど、すごい選手に出会っても怯まずに追い越していく気持ちを持っていたことを思い出しました。いまは情報がたくさんあって何が正解かはわからないけれど『自分はこれだ!』というものを見つけるために、いろんなことに挑戦して欲しいです」と話している。

5回目となった「部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp」。今回は栄養講座を初めて全校生徒に向けて実施し、運動だけでなく勉強に向けても必要な情報を届けるなど新たな試みが行われている。特別レッスンではトップアスリートが第一線で戦う中で培ってきた技術やメンタリティーが、選手たちに直接伝えられた。中学生は成長過程にある身体や心を形成していく大切な時期だ。このプロジェクトを通して、生徒や部活生のポテンシャルを引き出すきっかけとなったに違いない。

 次はどんなアスリートが、どんな学校を訪れるのか注目だ。