「巨人3-2広島」(30日、東京ドーム) ベンチへ向け、力強く右拳を突き出した。広島・坂倉将吾捕手が劣勢の中、チームを鼓舞する適時二塁打を放ち、鯉党のボルテージを上げた。「(この球を打つという)決めを持って(打席に)入って、良い感じに打て…

 「巨人3-2広島」(30日、東京ドーム)

 ベンチへ向け、力強く右拳を突き出した。広島・坂倉将吾捕手が劣勢の中、チームを鼓舞する適時二塁打を放ち、鯉党のボルテージを上げた。「(この球を打つという)決めを持って(打席に)入って、良い感じに打てた。それはそれで良かったなと思います」と反撃の一打を振り返った。

 3点を追った六回だ。先頭の野間が一塁内野安打で出塁。1死後、小園が右前打で好機を拡大した。打席に坂倉を迎える場面で敵将は“左キラー”の高梨を起用してきた。

 ここ2年の対戦では10打数無安打。分の悪い相手に対し、「初球から振ると決めていた」と積極的に立ち向かった。初球はファウルも、2球ボールが続いたあとの4球目。内角低めのシュートを右翼線に運び、二走・野間を迎え入れた。「チャンスでしたし、良いヒットになった」とクールに汗を拭った。

 悔やんだのは先頭で迎えた八回の第4打席。1ストライクからケラーの直球を高々と打ち上げ、一邪飛に倒れた。「打ち損じたというか、やられたという打席だった」。追い上げムードが漂っていただけに、表情をゆがませた。

 6月は41打数6安打、打率・146と苦しんだが、締めの試合で意地のタイムリーをマークした。「月も変わりますし、出たところで良い仕事ができればいい。状態もちょっとは良くなってきているので頑張りたい」と坂倉。7月の戦いで巻き返しを狙う。