◆陸上 ▽日本選手権 最終日(30日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム) 男子800メートル決勝で、17歳の落合晃(滋賀学園高3年)が1分46秒56で優勝した。2014年に川元奨、2021年に源裕貴がマークした日本記録(1分45秒75)に…

◆陸上 ▽日本選手権 最終日(30日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

 男子800メートル決勝で、17歳の落合晃(滋賀学園高3年)が1分46秒56で優勝した。2014年に川元奨、2021年に源裕貴がマークした日本記録(1分45秒75)には及ばなかったが、2019年のクレイアーロン竜波(神奈川・相洋高)以来、5年ぶりに同種目の高校生チャンピオンに輝いた。抜群のスピードを持つ高校生は、今後、世界を目指す。2位は1分47秒66で川元だった。

 落合は29日の予選で、自身が持っていたU20日本記録と高校日本記録(1分46秒54)を0秒72更新する1分45秒82をマーク。日本記録に0秒07と迫る日本歴代3位で走破した。予選を全体1位で通過した決勝に向けて「今年の目標はパリ五輪出場です。参加標準記録(1分44秒70)を狙っていきます」と堂々と話していた。その言葉通り、決勝でも、日本記録保持者だった川元らを相手に積極的にレースを進めて、勝ちきった。

 「素直にうれしいです。でも、今年はパリ五輪を目標にしていて、そこは悔しさがあります。今後、日本だけではなく、世界で戦える選手になれるように頑張ります」と喜びと悔しさが交じった表情で話した。高校生で日本選手権を制したにもかかわらず、ゴール直後、落合は雨に濡れるトラックを手でたたいて悔しがった。その姿勢が、世界挑戦への道につながる。

 800の女子では、16歳の久保凛(東大阪大敬愛高2年)が初優勝。サッカー日本代表のMF久保建英(23)=レアル・ソシエダ=のいとこが抜群の存在感を発揮している中、男子にも期待の新星が誕生した。