「ヤクルト6-1阪神」(29日、神宮球場) 堅実な守備を重視する阪神・岡田野球だけに、勝敗の行方を左右した“ほころび”が許せなかった。 「あれ、ゲッツー取ってたら別にどうってことなかったんや」 岡田彰布監督が厳しく指摘したのは、3点を追う…

 「ヤクルト6-1阪神」(29日、神宮球場)

 堅実な守備を重視する阪神・岡田野球だけに、勝敗の行方を左右した“ほころび”が許せなかった。

 「あれ、ゲッツー取ってたら別にどうってことなかったんや」

 岡田彰布監督が厳しく指摘したのは、3点を追う三回1死一塁での守備だった。3番・オスナの打球は二塁・中野の正面へ飛んだ。難なく併殺が完成すると思われたが、中野の送球を遊撃・小幡が落球。チェンジの局面が一転、1死一、二塁とピンチが拡大した。伊藤将は続く4番・村上の右前打で満塁とされると、サンタナ、長岡に連続適時打を浴び、決定的な2点を失った。

 「打順的に一番ミスが出たらあかん打順やんか。バッターの足と打球の速さ考えたら、一個ずつぽんぽんとやってもゲッツー取れる打球やろ」

 指揮官が語気を強めたように、オスナの足を考えれば併殺を焦る場面ではなかった。小幡も「捕るべきだったので(伊藤)将司さんに申し訳ないと思う。勢いをつけ過ぎた分、反応が遅れた」と痛恨の失策を悔やんだ。

 「0-3じゃ分からん」。3点差とはいえ、まだ序盤だった。手狭な神宮球場では十分に逆転可能な点差だと岡田監督は信じていた。それだけに手痛い2点だった。「2点取られてからな、完全に流れが来んわな」と嘆くしかなかった。取れるアウトを確実に取るという、岡田野球の大原則を見つめ直したい。

 ◆2カ月連続月間負け越し 2023年からスタートした第2次岡田政権では初。この日で今季6月は9勝11敗1分け、勝率.450となり、1試合を残して負け越しが決まった。5月は10勝13敗1分け、勝率.435だった。なお、球団の2カ月連続月間負け越しは22年の8~9・10月以来。岡田政権では第1次の07年5~6月以来。