日本ハンドボール協会は28日、パリ五輪に出場する男子日本代表「彗星(すいせい)ジャパン」を発表、富山県氷見市出身の安平光佑(こうすけ)選手(24)が選ばれた。地元は喜びに包まれ、市役所には、お祝いの懸垂幕が掲げられた。 氷見市は、1958…

 日本ハンドボール協会は28日、パリ五輪に出場する男子日本代表「彗星(すいせい)ジャパン」を発表、富山県氷見市出身の安平光佑(こうすけ)選手(24)が選ばれた。地元は喜びに包まれ、市役所には、お祝いの懸垂幕が掲げられた。

 氷見市は、1958年の富山国体でハンドボールの会場となった。この時、氷見高校が日本一になり、以来、「ハンドボールのまち・氷見」として市を挙げて競技を支援、今も中学、高校、社会人チームが全国レベルで活躍している。

 発表は午後3時15分からあった。市ハンドボール協会の谷内口数尚・会長、氷見高校ハンドボール部前監督の徳前紀和さんらが、市役所内でライブ配信を見守った。安平選手の名前が呼ばれると、拍手が起きた。同市出身のオリンピアンは同じハンドボール競技の西山清さん以来、36年ぶり。

 能登半島地震で氷見市は富山県内で最も被害が出ている。安平選手は「被災者が大変なのはよく分かっている。応援してもらえるように頑張りたい。日本人らしいプレーで、ヨーロッパの強豪を倒したい」と意気込みを語った。林正之市長は「震災からの復旧・復興を目指す氷見市に、元気と勇気を届ける活躍を期待します」との談話を出した。

 安平選手は氷見高で、選抜、高校総体、国体の高校3冠を達成。日本体育大学進学後にプレーの場をドイツやフランス、ポーランドなど欧州に移した。2022年にはポーランドで世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグに出場。日本の男子選手とし初の快挙を果たした。現在は北マケドニアの強豪・RKバルダルでプレーしている。

 昨年10月のパリ五輪アジア予選に日本代表の司令塔として出場、決勝のバーレーン戦でチーム最多の10得点をするなど活躍した。身長172センチと小柄だが、持ち味のスピードと多彩なパス、創造的なプレーで観客を魅了、西條中学校時代から、「ファンタジスタ」と呼ばれる期待の選手だった。

 中学時代に指導した、市ハンドボール協会副会長の姿豊晴さんは「スピード、パス、ジャンプ力、視野の広さのどれをとってもすばらしい選手。体幹が強く、大きな相手にも当たり負けない。後輩のためにも活躍してほしい」と期待した。

 日本代表は7月27日(日本時間)午後9時から、クロアチアと初戦を行う。(前多健吾)