角田は2026年にどのチームで走るのか。選択肢を広げるためにも、まずは今季残りレースで結果を出したい(C)Getty Images

 F1のアストンマーティンが、ランス・ストロール(カナダ)が来季以降もチームに残留すると発表した。チームメートのフェルナンド・アロンソ(スペイン)も4月に複数年契約で契約延長に合意しており、ホンダのパワーユニットで参戦する2026年はアロンソ、ストロールの2人で臨むことが確定した。

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 同時にRBの角田裕毅のアストンマーティン入りがなくなったことを意味するが、オーストリアGP開幕前日の27日に現地で行われた公式記者会見に出席した角田は「まだ明確にそうなるとは言えないので、よく分かりません」とはぐらかしつつ「僕が打ち負かす必要がある競争相手の一つ、その中でも最強の相手となるのか、興味深い」とも話した。

 角田はホンダとレッドブルの両組織の育成ドライバーで、来季もレッドブルの姉妹チームのRBに残留することが決定している。ホンダのパワーユニット(名義はホンダRBPT)での参戦は来季まで。仮に2026年もレッドブル陣営に残った場合、フォードと提携して開発が進められているレッドブルパワートレインズ(RBPT)の自社製パワーユニットを使用することになる。ただ、完全にゼロから開発中で性能は未知数。レッドブルがチャンピオンから最下位チームに転落することも十分にあり得る。

 2026年はメルセデス、フェラーリ、ホンダ、ルノーの現有メーカー以外にレッドブルフォード、アウディが新規参入する。ホンダは現時点で供給先がアストンマーティンの1チームだけだが、2チーム目とジョイントする可能性はあるか。

 F1チームの中で将来のパワーユニットが決まっていないのはハースだ。これまでフェラーリと技術提携してきたが、BARホンダでエンジニアとして従事したこともある小松礼雄氏がチーム代表となり、ホンダとの結び付きが深まるか注目される。ただし、レーシングパーツの技術供与が継続されている以上は今後もフェラーリのサテライトチームを続ける見通しで、「ハース・ホンダ」の線は薄そうだ。

 このほか有力な供給先になりそうなのがアルピーヌだ。同チームと提携するルノーが2026年のパワーユニット開発を中止するとの噂が上がっており、ホンダとしてもオファーがあれば願ったりかなったり。「アルピーヌ・ホンダ」として角田の受け皿となることもあり得る。

 もちろん角田が大きな成長を遂げ、別のトップチームのシートを得られれば、ホンダも喜んで送り出すだろう。そのためには今季中、または来季の前半戦までに誰もが納得する結果を残し、F1の世界での選手評価を高める必要はある。最低でも表彰台だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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