「ヤクルト(降雨中止)阪神」(28日、神宮球場) 大勝の勢いで敵地に乗り込んだ阪神だが、降りしきる雨の影響で試合は中止となった。27日の中日戦では12安打8得点。上向きに見える打線だが、デイリースポーツ評論家の谷佳知氏はさらなる上昇へ注文…

 「ヤクルト(降雨中止)阪神」(28日、神宮球場)

 大勝の勢いで敵地に乗り込んだ阪神だが、降りしきる雨の影響で試合は中止となった。27日の中日戦では12安打8得点。上向きに見える打線だが、デイリースポーツ評論家の谷佳知氏はさらなる上昇へ注文をつけた。

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 阪神打線はここにきて、底を脱しつつあるように見える。ただ個々を見れば、状態をもっと上げていってもらいたい打者が数多く、決して気は抜けない。シーズンも残り半分。自分の現状をしっかりと受け止めた上で、恐れずに変化していくことがもっと必要だろう。

 阪神の各打者は引っ張って強い打球を打とう、という意識が強過ぎるように思う。結果として振り遅れたり、強い打球が飛ばないケースが目立つ。

 構えた所からトップをつくり、ボールを捉えるまでの一連の動きにずっと100の力を込めていると、インパクトの瞬間に100の力が伝わらなくなる。どこかで一瞬、力を緩める間が欲しい。ずっと力が入ったガチガチの状態では、強い打球は飛ばせない。

 27日の中日戦で佐藤輝が七回に放った左前適時打がいい例だと思う。

 体が開かずに踏み込んで逆方向に強い打球が飛んだ時は思いの外、バットがスムーズに出ているものだ。少し軽いぐらいの感覚で振っていい。そうすれば、引っ張っても強い打球が飛ぶ。

 打席の中でのアプローチを変える勇気が持てれば、必ず結果も変わってくるだろう。