(28日、プロ野球 横浜DeNAベイスターズ5―1中日ドラゴンズ) DeNAの三浦大輔監督は試合前、「なかなか点を取るのは難しい」と漏らした。 ただ、「そうは言っていられない」とも。 この日の登板前まで防御率「0.49」だった中日・高橋宏…

 (28日、プロ野球 横浜DeNAベイスターズ5―1中日ドラゴンズ)

 DeNAの三浦大輔監督は試合前、「なかなか点を取るのは難しい」と漏らした。

 ただ、「そうは言っていられない」とも。

 この日の登板前まで防御率「0.49」だった中日・高橋宏斗の攻略へ、作戦面で動いた。

 1―0の五回だ。

 先頭の宮崎敏郎が二塁打で出塁すると、山本祐大は初球をバントし、一塁線に転がす。打球が強くなり、一塁手は三塁に投げたが、この送球を三塁手が後逸。望外の2点目を挙げた。

 DeNAは試合前まで27犠打。27日現在、12球団で圧倒的に少なかった(11位はオリックスの44犠打)。強攻策が多かったチームが、手堅く追加点を取りにいった。

 相手のミスに畳みかける。関根大気が三塁線へのバント安打で続くと、京田陽太は一、二塁間を抜く適時打。いずれも初球だ。

 関根が「良い準備ができていた」と言えば、「与えられたところで何とか結果を出せた」と京田。今季、出場機会の限られている2人は胸を張った。

 さらに投手ジャクソンのバントを挟み、桑原将志が右犠飛を放った。この間、わずか12球だった。

 「自分がすべき仕事ができずに悔しい」と高橋宏。今季、ほぼ完璧な投球を続けてきた右腕に、立ち直る猶予を与えなかった。

 オースティン、牧、宮崎。けがで一時離脱していた主力が、いまは1軍にそろっている。開幕後に復帰した筒香もいて、休ませながら起用できる余裕もある。

 野手の陣容はリーグ随一。だが、競った展開で1点を取る攻撃がチームの課題だった。

 打線の脇役がつないだ五回の3得点に、混戦のセ・リーグを抜け出すヒントがありそうだ。(安藤仙一朗)