収録取材に応じた井上。(C)CoCoKARAnext 世界を熱狂させ続けるモンスターは、しっかりと次を見据えた。 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、6月28日、都内で実施されたWOWOWの「エキサ…

収録取材に応じた井上。(C)CoCoKARAnext

 世界を熱狂させ続けるモンスターは、しっかりと次を見据えた。

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、6月28日、都内で実施されたWOWOWの「エキサイトマッチSP」の収録後に行われた囲み取材に対応。注目される次戦に対する自身の考えを打ち明けている。

【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート!井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間

 去る5月6日に東京ドームで実施されたルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を6回TKOで制した井上。初回にプロキャリア初のダウンを喫しながらも怒涛の逆襲。最後は左ジャブ、右アッパーの素早いコンビネーションから渾身の右ストレートで仕留めた。

 この世紀の一戦を「刺激というものはあまり変わらない」と淡々と振り返った井上は、来る9月にと予定されている次戦について「今はその試合に向けて昨日からスパーリングを始めています」とも言及。WBO世界同級2位のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)との対戦が有力視されている現状を語った。

 今月13日には、WBAから指名挑戦権を持つムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と「9月25日までに試合を行うことを命じた」と正式に命じられた。ベルトを剥奪される可能性もあるが、「まぁもうベルトにこだわりはないですからね。それで剝奪されるならそれでもいい」と説く井上は、こう持論を続ける。

「こんなスパンで急に(指令を)出すものじゃないとは思う。ちょっと出たタイミングも、向こう(アフマダリエフ陣営)のプロモーターの発言にしても、結構、嫌がらせちっくな感じかなと受けて取りましたけど(苦笑)。でも、別に剝奪されたという流れでも、こっちが返上したという流れでも、ぶっちゃけどっちでもいい。ここからの戦いというのは試合の価値と、自分がどういうパフォーマンスをするかにかかってくると思ってます」

 ドヘニーはキャリアの最盛期を過ぎた37歳。力の差が明確である。ゆえにアフマダリエフ戦を重視しない意向に批判的な声も小さくない。英興行大手『Matchroom Boxing』のエディ・ハーンCEOは「申し訳ないが、TJ・ドヘニーvsナオヤ・イノウエは酷いミスマッチだ。正直に言わせてもらうよ。たしかにTJは良いファイターではあるし、元世界チャンピオンだが、私たちを騙そうとなんかするな」と豪語していた。

 とはいえ、周囲も驚く急な指令ではある。そうした中で「どっちでもいい」とぶっちゃけた井上。その決断は小さくない反響を呼びそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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