先週末に宝塚記念が終わり、一年も間もなく折り返し地点に達する。数々の名勝負や記録が生まれた半年間。本稿では「調教師」にスポットをあて、上半期のGIレースを振り返りたい。  春の平地GI・12戦は、すべて異なる騎手が勝利する珍しい出来事が…

 先週末に宝塚記念が終わり、一年も間もなく折り返し地点に達する。数々の名勝負や記録が生まれた半年間。本稿では「調教師」にスポットをあて、上半期のGIレースを振り返りたい。

 春の平地GI・12戦は、すべて異なる騎手が勝利する珍しい出来事があったが、調教師のJRA・GI初制覇も多かった。フェブラリーSの武英智師を皮切りに、大阪杯で上村洋行師、天皇賞(春)で岡田稲男師、日本ダービーで安田翔伍師、安田記念でC.シャム師、宝塚記念で吉岡辰弥師が初戴冠。そのうち、武師、上村師、吉岡師の3名は、地方・海外を含めても初のGI勝ちだった。

 安田翔師の日本ダービー制覇は、41歳10カ月19日で史上最年少勝利でもあった。開業7年目での快挙。ダノンデサイルを1着に導いた横山典弘騎手は、同レースの史上最年長勝利だったことも面白い。また、師の父にあたる安田隆行氏は、トウカイテイオーに騎乗して91年のダービーを勝っている。騎手と調教師、変則の父子制覇にもなった。

 昨年のJRAGI・26戦(障害含む)は、関東馬が15勝、関西馬が11勝だったが、今年はここまで関東馬2勝、関西馬9勝、海外馬が1勝となっている。昨年とは一転、美浦所属馬は押され加減だが、秋は巻き返しなるか。